「タウンワークにも学校求人にも出しているのに、人が集まりません」
Yahoo!知恵袋で接骨院の求人を検索すると、募集している院長からの相談がいくつも出てきます。女性の柔道整復師に声をかけても応募が来ない。院長からは求人サイトでは来にくいので紹介がいちばんだと言われたが、紹介のあてがない。広告を出して来なかったら、その費用が丸ごと無駄になる。
僕は新潟で接骨院や士業のホームページを作っていますが、求人そのものの代行はしていません。それでも「サイトに求人を載せたら応募は増えますか」と聞かれることが多いので、応募する側が実際にどこで手を止めているのかを数えました。
結論を先に書きます。2026年9月10日にYahoo!知恵袋の質問ページを70件開き、接骨院・整骨院の求人への応募が主題だった33件を数えました。いちばん多かったのは、求人票に書いていないことを応募する前に人へ聞いている相談で11件です。 そして同じ日に新潟市の接骨院115院のサイトを開き直したところ、求人の入口ページで給与まで読めたのは、読めた5種類のうち1種類だけでした。
いま求人を出していて反応がない方は、無料のサイト診断に院名と募集している職種を送ってください。順位や応募数を約束はできませんが、求人の入口で何が読めない状態になっているかは見て返せます。
<!-- def --> 求人の入口ページとは、自院サイトの中にある求人・採用のリンクをたどって、応募を考えている人が最初に開くページのことです。
何を、どうやって数えたか
測定日は2026年9月10日です。数えたものは2つあります。
1つ目はYahoo!知恵袋です。「柔道整復師 求人 応募」「整骨院 求人 応募」「柔道整復師 転職 悩み」「接骨院 就職 迷う」「柔道整復師 就職 不安」「整骨院 求人 給料 安い」「柔道整復師 辞めたい 転職」「接骨院 面接 見学」「整骨院 ブラック 求人」「柔道整復師 新卒 就職先」の10語で検索し、一覧を延べ326件ぶん読みました。重複を除くと299件です。このうち接骨院・整骨院・柔道整復と、求人・応募・就職のどちらにも触れていた211件が候補になり、上から70件の質問ページを開いて、本文と回答まで読みました。分母は開いた70件です。
2つ目は新潟市の接骨院の名簿です。115院のうち、自社サイトがあると確認できていたのが45院でした。この45院のサイトを9月10日に開き直し、求人・採用・リクルート・スタッフ募集にあたるリンクを探しています。リンクが見つかった院については、その先のページも開いて中身を数えました。
質問文はそのまま引用せず、短く言い換えています。質問者が特定できる書き方はしていません。
70件のうち、応募する側の相談は33件だった
開いた70件は、次のように分かれました。
| 立場 | 件数 |
|---|---|
| 応募する側(接骨院・整骨院の求人が主題) | 33 |
| 募集する側(院長・経営者) | 4 |
| 題材違い(職業選びや在職中の悩みなど) | 33 |
題材違いに落ちた33件のうち10件は、いま柔道整復師として働いている人の「辞めるか、別の職種に移るか」という相談でした。整形外科の手取りが上がらない、デイサービスに移ったが昇給の見込みがない、といった内容です。募集の場に来る前の段階で、業界の外へ出る相談をしている人が10件いたことになります。
相談していたのは、柔道整復師ではない人が28件
分母の33件を、応募しようとしていた枠で分けます。
| 応募しようとしていた枠 | 件数 |
|---|---|
| 受付・助手・事務など、柔道整復師以外の枠 | 28 |
| 柔道整復師(有資格者・国家試験を控えた学生を含む) | 3 |
| 質問文から職種が読み取れない | 2 |
ここが今回いちばん意外だったところです。接骨院の求人で悩みを書き込んでいる人の大半は、施術者ではありませんでした。受付事務のアルバイト、診療助手、施術補助といった枠に応募しようとして、その前で止まっています。
もちろんYahoo!知恵袋には偏りがあります。学校の求人票や先輩のつてで決める柔道整復師は、そもそも知恵袋に書き込みません。それでも、院が求人サイトに出したときに実際に見ているのは受付・助手の応募者が多いという前提で求人ページを書くほうが、当たりは近くなります。
応募する側が止まっていた6か所
33件を、手が止まった場所で分けました。
| 止まっていた場所 | 件数 |
|---|---|
| 求人票に書いていないことを、応募する前に人へ聞いている | 11 |
| 自分が応募していいかどうかを決められない | 6 |
| 書いてあることが信じられない、媒体によって記載が違う | 5 |
| 選考がどう進むのか分からない | 4 |
| 入ってから条件が違った | 4 |
| 院の評判や実態が不安 | 3 |
上の3つを足すと22件です。33件の3分の2は、求人票の書き方だけで起きていました。
求人票に書いていないことを、応募する前に人へ聞いている(11件)
内訳はこうです。無資格でも応募していいのか。診療助手はどんな仕事なのか。受付と書いてあるが施術の補助もするのか。パソコンは使えないと困るのか。受付の求人票にだけ賞与の記載がない。補助や受付は女性限定なのか。
11件とも、答えを持っているのは募集している院だけです。院を知らない人に聞いているので、回答は一般論で終わっています。そのあと応募まで進んだかどうかは、質問文からは分かりません。
自分が応募していいかどうかを決められない(6件)
志望動機が書けないという相談が4件ありました。残り2件は、高校を中退していて踏み切れない、制服のサイズが合わなかったら気まずいので求人誌を眺めるだけで止まっている、という内容です。
求人ページ側でできることは限られますが、歓迎する経験と、選考で見る点を書いておくと、この6件のうち何件かは進みます。
書いてあることが信じられない、媒体によって記載が違う(5件)
外傷処置がメインと書いてあるが本当か。求人サイトには週1休みとあり、自院サイトには休みを選べるとあって、面接で聞いたら施術者だけの話だった。無資格・未経験可なのに保険が使える院なのはなぜか。同じ職種なのに求人サイトによってタグが違う。
求人サイトと自院サイトの記載がずれると、応募する側は「都合の悪いほうが本当だ」と読みます。 5件とも、そう読んでいました。
新潟市の接骨院115院で、求人の入口を数えた
ここから2つ目の測定です。自社サイトがあると確認できていた45院を開き直しました。
| 求人・採用のリンク | 院数 |
|---|---|
| ある | 16 |
| ない | 29 |
16院のうち13院は、リンク先が自院サイトの外にありました。グループ共通の採用サイトや、求人専用のドメインです。16院のリンク先は、実際には6種類しかありません。1つの採用サイトに8院がぶら下がっている例がありました。
このうち1種類(3院ぶん)は、本文がJavaScriptで描かれていて、HTMLからは76字しか読み取れませんでした。中身を数えられていないので、分母から外します。残る13院・5種類の入口ページで、6項目を数えた結果が次の表です。
| 入口ページで読めた項目 | 書いてあった種類 |
|---|---|
| 応募のしかた・問い合わせ先 | 5 / 5 |
| 応募資格・歓迎する人 | 2 / 5 |
| 給与 | 1 / 5 |
| 勤務時間 | 1 / 5 |
| 休日 | 1 / 5 |
| 仕事内容 | 1 / 5 |
6項目がそろっていたのは、新潟市のたかやま接骨院の求人ページだけでした。ほかの4種類は、応募のしかたは分かるものの、給与や仕事内容は別ページへのリンクになっているか、そもそもありません。1種類は、求人のリンクを開くと施術料の案内が表示される状態でした。
知恵袋で11件が聞いていたのは、この表で1 / 5になっている項目そのものです。 応募する側は給与と仕事内容を探しに来て、応募のしかただけを読んで帰っています。
では、求人ページには何から書けばいいのか
今回の2つの測定から、順番はこうなります。
- 仕事内容を職種ごとに分ける。 受付・助手の枠と、柔道整復師の枠を同じページに混ぜない。11件のうち4件は、受付と書いてあるのに施術補助があるのかを聞いていました
- 給与を幅で書く。 金額そのものより、書いていないことが止める理由になっています
- 勤務時間と休日を、職種ごとに書く。 休みの条件が施術者だけの話だったという相談が実際にありました
- 応募資格を、できないことのほうから書く。 無資格でよいのか、パソコンが必要かは、11件のうち4件が聞いていた点です
- 選考の進み方を書く。 書類選考があるのか、面接までに何日かかるのか。4件がここで止まっていました
訪問看護と訪問介護でも同じ測定をしていて、給与まで書いてある事業所は少数でした。訪問看護の求人ページを43件測った記録と訪問介護の採用ページ83件の記録、そして介護の求人で応募する側が止まる場所に数字を置いてあります。業種が違っても、給与と仕事内容で止まる点は3業種とも同じでした。
数えかたの弱点
3つあります。
1つ目は、知恵袋の偏りです。書き込むのは、身近に聞ける人がいない応募者にかたよります。学校の求人票やつてで決めた人の相談は、ここには出てきません。
2つ目は、質問の投稿時期がそろっていないことです。今回の70件には、10年以上前の投稿も混ざっています。給与の水準や求人媒体の事情は当時と違います。
3つ目は、入口ページだけを数えたことです。リンクの先をたどれば給与が書いてある採用サイトもありました。ただし応募する側は、最初のページで読めないとそこで戻ります。だから入口の1枚だけで数えました。
なお自院サイトが「広告」にあたるかどうかは、あはき・柔整広告ガイドラインを知恵袋の相談と突き合わせた記録にまとめてあります。原則としてホームページは規制対象の広告に該当しないという整理ですが、リスティング広告を出している院は前提が変わります。
よくいただく質問
給与を書くと、いまいるスタッフに知られてしまいませんか
新しく入る人の条件を公開すると、既存のスタッフとの差が見えます。幅で書いて、経験年数や担当業務で決まることを添える方法があります。今回読めた5種類のうち、給与を書いていた1種類も幅の表記でした。
求人ページを作ると、あはき・柔整広告ガイドラインに引っかかりませんか
2025年2月18日の指針は、原則としてホームページを規制対象の広告に該当しないとしています。ただしリスティング広告やバナー広告を出すと、その先のサイトも一体として扱われます。広告を出している院は、施術の効果に触れる表現を求人ページにも書かない前提で進めてください。
ハローワークや求人サイトに出しているなら、自院のページは要らないのでは
今回の33件のうち5件は、媒体ごとに記載が違うことで止まっていました。自院のページは、どの媒体を見た人でも最後に確かめに来る場所になります。媒体と同じ内容をそろえておく用途で作る意味があります。
求人ページは、何ページ必要ですか
職種が2つなら2ページです。今回の11件は、受付の枠と施術者の枠が1ページに混ざっていることで起きた質問が多くを占めました。分けるだけで減ります。
応募が来ない原因は、給与の額そのものではないのですか
額が理由の相談も実際にあります。ただし今回の33件では、額を見て見送ったという相談より、額が書いていないので聞いている相談のほうが多くありました。書けば比べられますが、書かないと比べる前に候補から外れます。
まとめ|接骨院の求人で応募が来ないときに見る場所
2026年9月10日に測った結果です。
- Yahoo!知恵袋の質問ページ70件を開き、接骨院・整骨院の求人への応募が主題だった33件を数えた
- 33件のうち28件は、柔道整復師ではなく受付・助手・事務の枠への応募だった
- 手が止まった場所の最多は、求人票に書いていないことを応募前に人へ聞いている11件
- 新潟市の接骨院115院のうち、求人・採用のリンクがあったのは16院。リンク先は6種類
- 中身を読めた5種類のうち、給与・勤務時間・休日・仕事内容がそろっていたのは1種類
求人サイトへの掲載を1回増やす前に、自院のページで6項目が読めるかどうかを確かめてください。今回の測定では、そこが1 / 5でした。
自院のページを一緒に見てほしい場合は、無料のサイト診断に院名と募集している職種を送ってください。制作の内容と料金はサービスのご案内に、先着枠の条件はモニター募集のページに載せています。
