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2026.08.31コラム

介護の求人に応募が来ない。ホームページで応募者が止まる5か所

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介護の求人に応募が来ない。ホームページで応募者が止まる5か所

「気になる訪問看護ステーションを見つけたけれど、ホームページの求人欄には正社員の募集しか出ていない。パートで応募したいが、問い合わせてもいいのだろうか」

これは私が考えた例ではありません。Yahoo!知恵袋に求職者本人が書き込んだ相談で、2026年8月31日に開いて読みました。回答は2件つき、どちらも「人手は足りていないのだから聞いてみるべきだ」という内容でした。

この人は結局、事業所には連絡していないかもしれません。事業所の側から見れば、この日の応募は0件だったというだけです。ページに「パートも相談に応じます」の一行があれば起きなかった0件が、応募が来ない月の中に何件か混ざっています。

求人媒体に出しても、ハローワークに出しても応募が来ない。そう聞いて自社サイトの採用ページを見せてもらうと、写真も理念も給与表もそろっていることがあります。足りないのは量ではなく、応募する側が最後に確認したい一行のほうです。

そこで、応募する側が実際にどこで手を止めているのかを数えました。Yahoo!知恵袋で介護・訪問看護の求人に関する質問を69件集め、そのうち24件を1件ずつ開いて本文と回答まで読んでいます。

先に結果を書きます。応募する側だった21件のうち、給与の額そのものを迷いの理由に挙げた質問は1件でした。残る20件は、給与ではないところで止まっています。しかもその止まり方は5か所に分かれ、どれも採用ページに数行足せば消えるものでした。

いまの採用ページに同じ抜けがないか見てほしい場合は、無料のサイト診断にURLをお送りください。応募する側の目で読んで、足りない項目だけを抜き出して返します。

何を、どうやって数えたか

測定日は2026年8月31日です。手順は次のとおりです。

  1. Yahoo!知恵袋の検索を「介護 求人 ホームページ」「訪問看護 ホームページ 求人」「介護 転職 求人票 わからない」「介護 求人 応募 迷う」の4語で実行した
  2. 各語の検索結果を1〜3ページめくり、合計8ページぶんの質問タイトルを集めた
  3. 「訪問看護 ホームページ 求人」の2ページめ10件は、雇用保険の認定日や理学療法士と作業療法士の比較など検索語と無関係な質問だったので、集計から外した
  4. 質問IDが重複していた1件を除き、69件のタイトルを一覧にした
  5. そのうち24件は質問ページそのものを開いて、本文・質問者の立場・回答数・ベストアンサーまで読んだ

検索画面に出た件数は「介護 求人 ホームページ」が約297件、「訪問看護 ホームページ 求人」が約24件、「介護 転職 求人票 わからない」が約116件、「介護 求人 応募 迷う」が約327件でした。ただしこれは画面に表示される名目の数字です。私が中身まで見たのは24件なので、以下の割合はすべて24件を分母にして読んでください。残る45件はタイトルだけを見ており、分類には使っていません。

質問文はそのまま引用せず、内容を短く要約しています。質問者や事業所が特定できる書き方もしていません。

応募する側は、どこで手を止めていたのか

開いた24件のうち、質問者が応募する側だったのは21件、求人を出す事業者側だったのが3件でした。応募する側21件の内訳です。

手が止まった場所件数質問に出てきた中身
仕事の中身が読み取れない4件身体介助を含むのか/利用者と関わるのか/未経験でできるのか
勤務条件が書いていない、探せない4件パート枠の有無/繁忙期に休めるか/夜勤なしがあるか
書いてあることと実際が違った4件始業時刻/募集が埋まっていた/不利な条件が備考欄
応募のしかたが決めきれない4件フォームか電話か/遠方から出していいか/返事はいつ来るか
事業所を判断する材料がない5件口コミがない/サイトが見つからない/新設で実情が不明

給与の額そのものを迷いの理由にしていたのは、「給与がすごくいいので逆に不安だ」という1件だけです。この人も、額を下げてほしいのではなく、額の理由が書いていないことに引っかかっていました。

1. 仕事の中身が読み取れない(4件)

いちばん具体的だったのは、訪問介護事業所が出した介護タクシー運転手の求人を見ていた人の質問です。運転の仕事だと思って応募しようとしたところ、訪問介護事業所の募集だったため、トイレ介助まで業務に入るのかが分からず止まっていました。回答では、介護保険の「通院等乗降介助」は移動と乗降だけで身体介助を含まないと説明されています。

同じ型が残り3件にもありました。障害者施設の調理員パートに応募しようとした人は、調理員が利用者と直接関わる場面があるのかを知りたがっていました。介護施設の事務職を見ていた人は、業務内容に書かれた介護保険請求業務を未経験でこなせるのかで止まっています。介護補助の求人を見ていた人は、そもそも自分に向いているかを判断できずにいました。

この4件に共通するのは、職種名だけでは仕事の範囲が決まらないという点です。求人票とは、募集の条件を決められた項目に沿って並べた書式のことです。項目は埋まっていても、その事業所での実際の一日までは埋まりません。

採用ページに足すなら、1日の流れを時刻つきで書くのがいちばん早く効きます。8時30分に出勤して何をして、何時に何が終わるのか。「介護補助」の3文字の代わりに、実際の10行を置く。

2. 勤務条件が書いていない、探せない(4件)

冒頭に挙げた訪問看護ステーションの例がここに入ります。ホームページの求人欄に正社員しか出ていないため、パートで応募していいかを判断できませんでした。

診療所のホームページにデイケアがあると書いてあるのに、公開されている求人は受付事務だけで、介護職の募集があるか分からないという質問もありました。介護施設の事務職で、月末月初が忙しいと書いてあるがその時期に休めるのかを知りたい人。日勤のみ夜勤なしの募集が探せない人。

どれも、事業所の側は「書いていない」という自覚がありません。募集していない雇用形態をわざわざ書く習慣がないからです。ですが読む側は、書いていないものを「ない」と読みます。

  • 正社員以外の枠があるなら「パート・非常勤も相談に応じます」と書く
  • 枠がないなら「現在は正社員のみの募集です」と書く。これも応募する側には情報になる
  • 夜勤の有無、休みの取り方、繁忙期がいつかを、条件表の外に文章で1段落
  • 募集していない職種があるなら「◯◯職は現在募集していません」まで書く

3. 書いてあることと実際が違った(4件)

ここが、事業所にとっていちばん損の大きい4件でした。すでに応募した人が、そのあとで離れています。

始業8時30分の求人票を見て面接に進み、面接でも「それより早く出ることはない」と説明された人が、入職後に全員が30〜45分早く出社して送迎に向かっていると知って、辞めていいかを相談していました。応募して面接日まで決まった1時間後に「そのポジションは埋まっていた」と連絡が来た人もいます。求人が出たままだったので応募したのに、掲載が更新されていなかったという相談です。

「未経験者歓迎」と書かれた調理スタッフの求人に電話したら「いっぱいです」と言われ、それでも求人が出続けていることに引っかかった人もいました。求人票の不利な条件が備考欄に小さく書いてあると指摘した人もいます。

この4件は、書き方ではなく更新の問題です。募集が埋まったらその日のうちに採用ページから外す。条件が変わったら求人票と自社サイトの両方を直す。この2つだけで、応募したあとに離れる人は減ります。

4. 応募のしかたが決めきれない(4件)

ホームページの応募フォームと電話のどちらがいいかを聞いている質問が2件ありました。1件は病院の介護職、もう1件は遠方への就職を考えている20代の人で、電話に慣れていないとも書いています。どちらの回答にも「電話のほうがいい」という助言がついていましたが、それは応募する側が電話をかけられる人だった場合の話です。

企業のホームページの採用ページに直接問い合わせていいのかを迷っている人もいました。面接後2日たっても連絡がなく、落ちたのかを心配している人もいます。

応募方法が2つ並んでいて優先順位が書いていないと、応募する側は「間違ったほうを選ぶと不利になるのでは」と考えます。採用ページに次の3行を置くだけで、この4件はほぼ消えます。

  1. どちらでもいい場合は、そう書く。「フォーム・お電話のどちらでも同じように選考します」
  2. 返事の期日を書く。「3営業日以内にこちらからご連絡します」
  3. 問い合わせの段階を用意する。「応募の前に条件だけ確認したい方は、こちらのフォームからどうぞ」

5. 事業所を判断する材料がない(5件)

いちばん件数が多かったのがここでした。求人やホームページからブラックな施設とホワイトな施設を見分ける方法を聞いた質問には、5件の回答がついています。挙げられていた判断材料は、求人がずっと出続けているか、募集人数が多すぎないか、「アットホーム」「無資格未経験歓迎」といった文言が並んでいないか、給与が周りより高すぎないか、といったものでした。

つまり応募する側は、書いてある内容ではなく、書き方の癖から中身を推測しようとしています。材料がないので、そうするしかない。

新しい事業所で口コミが見つからず迷った人、応募先の会社のホームページ自体がどれだけ探しても見つからなかった人、来年オープンの施設で実情が分からなかった人、直営から委託に変わった施設の運営体制が読めなかった人。5件とも、悪い情報を見つけて離れたのではなく、情報がないまま迷っています。

ここに効くのは理念文ではありません。数字と固有名詞です。

置くもの具体例
人の内訳常勤◯名・非常勤◯名・平均年齢◯歳・男女の比率
続いている年数開設年、在籍5年以上が何名か
体制運営法人名、直営か委託か、系列事業所の一覧
現場の写真事務室・休憩室・送迎車など、実際に使う場所
働く人の言葉入職1年目と5年目の2人ぶん、実名か仮名かを明記して

給与を書けば、応募は増えるのか

増えます。ただし、給与だけでは足りません。

私は同じ業界を、作る側からも数えています。新潟市の訪問介護110事業所を1件ずつ開いた調査では、採用ページがあったのは83件、給与額まで書いてあるのは18件でした。6県の訪問看護・訪問介護2,232件に広げた調査でも、給与額が読めるのは到達1,869件のうち297件で、そのページから応募までできるのは267件です。

作る側の数字だけを見れば、処方は「給与を書け」で終わります。ところが今回、応募する側で給与の額を迷いの理由に挙げたのは21件中1件でした。給与は、書いていなければ手前で脱落する項目であって、書いたあとに選ばれる理由にはならない。書いていない事業所が8割を超えるいまは、書くだけで抜け出せます。その先で比べられるのは、1〜5で挙げた5か所のほうです。

順番をつけるなら、給与と勤務条件を先に置き、次に1日の流れ、最後に人の内訳と写真です。

求人を出す側は、何に困っていたか

開いた24件のうち3件は、求人を出す事業者側からの質問でした。

訪問入浴の看護師・准看護師を、時給と各種手当まで示して募集しているのに応募が来ないという事業所は、ハローワーク・市役所・自社ホームページ・求人雑誌の4か所に出していました。ベストアンサーは「訪問入浴という仕事そのものが知られていない。言葉だけでなく写真やイラストで仕事の中身を説明すべきだ」という内容です。

訪問入浴介護の会社を経営している人は、求人サイトへの掲載、フォロワー5,000人のSNS、月1,000人以上が見る法人サイト、ハローワークと新聞への4回の掲載まで試したうえで、まだ集まらないと書いていました。もう1件は、訪問介護の求人を自社サイトに載せたいがどの媒体がいいかという質問で、回答を受けたあと「自社サイトはどうやって作るのか」と聞き返しています。

3件とも、出す場所を増やす方向で動いていました。応募する側の21件を読んだあとだと、増やす前に直すところが残っているように見えます。月1,000人が見ている法人サイトがあるなら、その1,000人が読む採用ページに1〜5を足すほうが先です。

数えかたの弱点

この記事の数字には、はっきりした限界が4つあります。

  1. 分母が24件しかない。 69件のタイトルを集めましたが、中身まで読んだのは24件です。5か所の件数差(4・4・4・4・5)は、この規模では順位を意味しません。
  2. 知恵袋に書く人は、応募者の一部でしかない。 迷ったときに検索して質問できる人だけが残っています。黙って離れた人はここに現れません。
  3. 質問の投稿時期がばらばら。 10年以上前の質問も含まれています。制度も相場も当時と違います。
  4. 私の分類には主観が入る。 「仕事の中身が読み取れない」と「事業所を判断する材料がない」は、質問によっては両方に置けました。迷った3件は、質問者が最初に書いた困りごとのほうへ寄せています。

同じ本文の質問が別のIDで2件ありました。掲載側の重複と見て1件ぶんだけを開き、件数からは落としていません。

よくいただく質問

採用ページは、法人サイトの中に作るのと、別に作るのとどちらがいいですか

先に法人サイトの中に作ってください。新潟市の訪問介護110件を数えたときは、110件のうち56件が複数の事業所で1つの法人サイトを共有し、開いた先に事業所の名前すら出てきませんでした。まず「どの事業所の募集か」が分かる1ページを作るほうが、採用サイトを別に立てるより先です。

給与を公開すると、既存の職員との差が問題になりませんか

その心配があるなら、幅で書いてください。今回読んだ質問の中に、金額の低さを理由に離れた人はいませんでした。困っていたのは、幅すら書いていないので他と比べようがない状態のほうです。求人票と自社サイトで違う額を出さないことだけ守れば、幅の記載で足ります。

写真は、職員の顔が写っていないとだめですか

顔が写っていなくても構いません。応募する側が知りたいのは、自分が毎日いる場所です。事務室、休憩室、送迎車の中、記録を書く机。この4枚のほうが、集合写真1枚より役に立ちます。撮影と掲載の同意は、写っている職員から書面で取ってください。

求人媒体に出しているので、自社サイトには載せなくていいのではないですか

媒体に出している間は届きます。ただし今回の21件のうち、事業所名で検索して自社サイトを見に来ていた人が複数いました。媒体で見つけたあと、事業所名で調べ直す動きです。そのときに自社サイトの採用ページが空だと、媒体の掲載費で連れてきた人をそこで手放します。

まず何から直せばいいですか

募集を締め切った求人の削除からです。今回いちばん損が大きかったのは、応募したあとに離れた4件でした。次に、パート枠の有無と夜勤の有無を1行ずつ。ここまでは、その日のうちに直せます。

まとめ|介護の求人ページで、先に直すところ

2026年8月31日に、Yahoo!知恵袋で介護・訪問看護の求人に関する質問を69件集め、24件を開いて読みました。分かったことを4行にまとめます。

  • 応募する側21件のうち、給与の額そのものを迷いの理由にしていたのは1件
  • 手が止まっていたのは、仕事の中身・勤務条件・記載と実際の食い違い・応募のしかた・判断材料の5か所
  • いちばん損が大きいのは3番目で、応募したあとに離れている
  • 出す場所を増やす前に、いま月に何百人かが見ているページを直すほうが先

今日できる3つを挙げます。締め切った求人を採用ページから消す。パート枠の有無を1行足す。1日の流れを時刻つきで10行書く。

この3つを終えたあとで、採用ページ全体を組み直したい場合はホームページ制作のサービスと料金をご覧ください。原稿の執筆は制作費に含みます。いまのページのどこが抜けているかだけ知りたい場合は、無料のサイト診断にURLをお送りください。応募する側の目で読んで、5か所のうちどれが空いているかを返します。

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