「写真はご用意ください」と制作会社に言われたまま、そこで止まっている。院内を撮ってみたものの、蛍光灯の下だと壁の汚れまで写る。スタッフに声をかけたら「顔はちょっと」と返ってきた。自分が写るのも気が進まない。結局、見積もりをもらった日から何も進んでいない。
同じ止まり方は昔から起きています。2009年3月の知恵袋には「業者に頼んで作ってもらっているが、写真は自分で用意するものなのか。会社にあるのはこれしかないと言われた」という投稿が残っています。2015年1月には整体院の方が、制作を頼む前に写真を用意したい、ビデオで撮って良い場面を静止画にする方法はどうか、と聞いていました。
僕は新潟で医療機関・接骨院・士業のホームページを作っています。写真の相談は原稿の相談と同じくらい多いので、答える前に数えました。
2026年9月14日、新潟市の接骨院と訪問看護の名簿から、自社サイトを確認できた92サイトを開き、トップページに載っている写真を数えました。写真は全部で530枚、1サイトあたりの中央値は3枚です。1枚も見つからないサイトが18ありました。
いま手元にどれだけ素材があるかを知りたい方は、無料のサイト診断に屋号とサイトのURLを送ってください。この記事と同じ手順で、いま何枚載っていて、何が足りないかを数えて返します。
<!-- def --> 素材写真とは、写真販売サイトや無料配布サイトで配られている、撮影者以外の人でも使える写真のことです。この記事では、自分の院やスタッフを撮った写真と分けて扱っています。
何を、どうやって数えたか
測定日は2026年9月14日です。数えたものは2つあります。
1つ目は同業のサイトです。新潟市の接骨院115院を実測した名簿から自社サイトのある45院、訪問看護102事業所の名簿から自前のサイトがある57事業所、合わせて102件を対象にしました。系列で同じURLを使っている院があるため、実際のサイトは94件です。このうち92件が開けました。開けなかった2件は、アクセスを拒否されたものが1件、ドメイン名を引けなかったものが1件です。
数え方はこうしました。トップページのHTMLから<img>とCSSの背景画像を集め、ファイル名がロゴ・ナビゲーション・見出し画像とわかるものを外します。残った画像のうち拡張子がjpg・webp・avifのものを候補にして、実物の先頭64KBだけを取り寄せ、寸法と容量を確かめました。幅400ピクセル以上・容量15KB以上のものを「写真」として数えています。他社サイトのHTMLは、まず<meta charset>を読んで文字コードを判定してから読みました。92件のうち2件がShift_JISです。ここを見ずに数えると、日本語が化けたまま集計されます。
2つ目はYahoo!知恵袋です。「ホームページ 写真 用意」「フリー素材 人物 商用利用」「店内 写真 撮り方 スマホ」など20語で検索し、一覧を延べ541件ぶん読みました。重複を除くと520件で、そのうち519件は本文と回答まで開けています。ここから、写真の話・ホームページの話・事業者の立場の3つがそろう171件を選び、全文を読んで99件を4つに分類しました。
測れなかったことも書いておきます。その写真が素材写真か自前の写真かは、ファイル名からはほとんど判別できません。素材サイトの既定のファイル名が残っていたのは、530枚のうち4枚だけでした。下層ページは開いていないので、院内の写真を「院内のご案内」ページにまとめている院は、この集計では枚数が少なく出ます。Googleマップに登録された写真も、地図の画面上で描かれるため自動では読めませんでした。
知恵袋の質問文はそのまま引用せず、短く言い換えています。質問者が特定できる書き方はしていません。院名と屋号も出していません。
同業のサイトは、写真を何枚載せていたか
92サイトを、トップページの写真の枚数で分けました。
| トップページの写真 | サイト数 |
|---|---|
| 0枚 | 18 |
| 1〜4枚 | 36 |
| 5〜9枚 | 20 |
| 10〜19枚 | 13 |
| 20枚以上 | 5 |
中央値は3枚です。5枚未満が54サイトで、全体の6割近くを占めます。20枚以上の5サイトは、複数の院を持つグループか、施設の写真を並べている法人でした。
何十枚も用意しないと形にならない、という前提は、少なくとも新潟の同業では成り立っていません。トップページに限れば、3枚あれば真ん中です。
写真が1枚も見つからなかった18サイトのうち、15が訪問看護でした。文字とイラストだけで組まれていて、事業所の外観すら載っていないページが並びます。訪問看護は利用者宅に出向く仕事なので、見せる場所が院内にあたらない事情はあります。それでも、求人の応募先として見られる立場では、働く場所の様子が1枚もないことが不利に働きます。採用ページの作り方は訪問看護の求人ページで応募が来ない理由にまとめました。
その530枚には、何が写っているのか
枚数を数えるだけでは、中身がわかりません。そこで530枚から無作為に30枚を選び、1枚ずつ開いて目で見ました。
| 見たもの | 枚数 |
|---|---|
| 写真がそのまま載っている | 19 |
| 写真の上に文字を載せたバナー | 6 |
| 写真が写っていない(文字だけの画像・イラスト・読み込み待ちのぼかし) | 5 |
機械が「写真」と数えた画像のうち、実際に写真が写っていたのは30枚中25枚でした。残る5枚は、お知らせを画像にしたもの、説明会のチラシ、読み込み待ちに表示されるぼかし画像です。
写真が写っていた25枚の中身はこうです。
| 写っているもの | 枚数 |
|---|---|
| 人(スタッフ・院長・患者さん・利用者) | 14 |
| 建物の外観 | 6 |
| 院内(待合室・施術室) | 3 |
| 書類(資格の修了証) | 1 |
| 周辺の風景(道案内) | 1 |
人が写っている写真が、25枚のうち14枚です。同業のサイトを開いたときに「うちには無理だ」と感じるとしたら、枚数ではなくこの部分だと思います。
写真が用意できない理由は、撮る手間ですか
知恵袋で読んだ99件を分類しました。
| 相談の中身 | 件数 |
|---|---|
| 用意する側(事業者・制作担当)が、写真をどう用意するか | 30 |
| 写る側が、顔写真の掲載を断りたい・断ってもめた | 35 |
| 他人の写真・素材写真・古い写真を使ったことで起きたこと | 23 |
| 見る側(患者・求職者・同業)が、載っている写真をどう見ているか | 11 |
用意する側の相談30件より、写りたくない側の相談35件のほうが多い。しかも35件のうち25件が2020年以降の投稿です。
中身を読むと、撮影そのものより、決まり方への不満が並びます。撮影日が一方的にメールで届いた、という2025年10月の投稿。マスクをしたままなら応じると伝えたら嫌な顔をされた、という2025年7月の投稿。退職したのに自分の顔写真が残っていて削除を頼みたい、という相談は複数年にわたって出てきます。2016年には、いったん同意したあとで断った結果、解雇になったという投稿が2件ありました。
経営する側からの投稿も1件あります。2025年4月、少人数の職場で、転職してきた人が掲載を断ったらどう思うか、と社外に聞いたものでした。院長が止まっている原因は、カメラの操作ではなく、人に頼む場面にあることがあります。
顔を出さずに撮れる写真は6つある
無作為に見た25枚のうち、人が写っていない11枚の中身が、そのまま代わりの案になります。
- 外から見た建物。6枚あり、顔が写らない写真では最多でした。看板と入口が入っていれば、初めて来る人の目印になります
- 待合室と施術室。3枚。人がいない時間に撮ったものです。ベッドとカーテンだけでも、広さと清潔さは伝わります
- 資格の修了証。1枚ありました。壁に掛けてあるものを正面から撮った写真です
- 道順。最寄りの目印から入口までを撮り、看板の位置に丸を付けた写真が1枚ありました。駐車場がわかりにくい院ほど効きます
- 手元だけ。施術中の写真は顔が入りやすいので、手と器具に寄って撮ると顔を外せます
- 来院した人と一緒に撮った写真。実測では、顔の前に用紙を持ってもらって撮ったものがありました。顔を出せない場合でも、人の気配だけは残せます
5と6には注意が要ります。施術中の写真や来院者との写真は、施術の効果を示す形になりやすいためです。治療の内容や効果についての体験談は、患者さん個人の主観にもとづくものである以上、広告として認められていません。写真に感想を添える形も同じ扱いになります。接骨院の広告は「あはき・柔整広告ガイドライン」(2025年2月18日・医政発0218第1号)で定められていて、医科より条件が厳しく、限定解除のような例外もありません。線引きは医療広告等ガイドラインで「書いてはいけない表現」を見分ける方法と問い合わせが来ない接骨院のホームページで、患者が引っかかる表現にまとめました。
素材写真で埋めると、来た人が見比べる
素材写真を使ったことで起きた相談は23件でした。目立ったのは、見る側が実物と見比べて気づく形です。
社長挨拶の横に載っていた写真が別人で、入社してから気づいたという2023年10月の投稿。従業員の写真がAIで作られているように見える会社をどう思うか、という2025年11月の投稿。集合写真に写っていた人が、見学に行ったら半分いなかったという相談。医師の写真が20年近く前のもので、受診したら別人のようだったという相談は2024年と2026年の両方にあります。
権利のもめごとも同じ23件に入っています。独立した元社員が在職中の現場写真を自社サイトに載せた、撮影を依頼した写真が二次使用でもめた、来店した人を撮って載せる前に書面を取るべきか、といった内容です。
素材写真は、使った瞬間に見抜かれるわけではありません。来院した人が、その場で写真と実物を見比べます。今回の92サイトでも、別のサイトと同じ画像ファイルを使っていた例が11組ありましたが、すべて同じ系列の院どうしでした。別々の法人が同じ素材を使っている例は、この範囲では見つかっていません。
写真の容量も測った
530枚の容量は、中央値で125KBでした。ただし500KBを超えるものが48枚、1MBを超えるものが11枚あり、最大は2.5MBでした。
スマホで開くと、この差は待ち時間として出ます。カメラで撮ったままの写真を載せると、1枚で数MBになります。表示の速さの測り方は自分のサイト47ページの重さを測った記録にまとめました。
もう1つ、92サイトのうちSNSやLINEで送ったときに出る画像(OGP画像)を設定していたのは46サイトでした。ちょうど半分です。写真が1枚もないサイトは、リンクを送っても文字だけが表示されます。
いま写真がない状態から始める3つ
- 手元にある写真を全部出す。開院のときに撮ったもの、チラシ用に撮ったもの、スタッフが撮った施術風景。今回の測定では中央値3枚なので、使える写真が3枚あれば同業の真ん中に並びます
- 顔の話を先に済ませる。スタッフに撮影の可否を聞き、断られた人は載せないと決めてから撮影日を決めます。知恵袋の35件は、この順番が逆だったときに起きています
- 足りないぶんの置き換えを決める。外観・院内・資格・道順は顔なしで撮れます。人の写真を素材で埋めるかどうかは、実物と見比べられる前提で決めます
ここまで決まっていれば、写真の枚数は制作の障害になりません。写真の用意で止まっている方は、無料のサイト診断に屋号とサイトのURLを送ってください。いま何枚あり、どこが空いているかを数えて返します。原稿のほうで止まっている場合はホームページの原稿が書けないときに、何を渡せばいいかも合わせてご覧ください。
よくいただく質問
写真が1枚もなくても、ホームページは作れますか
作れます。今回の測定では、写真が1枚も見つからないサイトが92件中18件ありました。ただし、その18件は文字とイラストだけで組まれていて、建物の外観すら載っていません。初めて行く人が場所を確かめられないので、外観と入口の2枚だけは撮ることをおすすめします。この2枚はスマホで撮れます。
撮影はお願いできますか
制作の標準の内容には写真の撮影を含めていません。お手持ちの写真を使って作ります。手元に1枚もない場合は、何を撮ればよいかをお伝えしたうえで、撮影の手配も含めてご相談を受けています。撮影を外に頼む場合の費用は当方の料金とは別にかかります。
スタッフが顔を出したくないと言っています
載せないという判断で問題ありません。知恵袋で読んだ35件では、断った側が不利な扱いを受けた相談が複数出ていて、掲載をめぐるもめごとは院の側にも負担になります。顔を出さずに人の気配を伝える方法として、手元だけを撮る、後ろ姿を撮る、名前と資格だけを文章で載せる、といった形があります。今回の測定でも、顔が写っていない写真は25枚中11枚ありました。
素材写真を使うと、検索で不利になりますか
わかりません。当方では順位への影響を測っていないので、数字のない話はお伝えしないことにしています。測れた範囲で言えるのは、素材写真は来院した人が実物と見比べる対象になる、という点だけです。人の写真を素材で置く場合は、スタッフ紹介のような「その人が誰か」を示す場所は避けるほうが安全です。
写真の枚数が少ないと、制作費は安くなりますか
枚数では変わりません。ホームページ制作は330,000円(税込・5ページ)で、原稿の執筆と広告表現のチェックを含みます。公開後の記事運用は月額33,000円(税込)から、記事を含まない保守のみは月額27,500円(税込)です。いま実績を作っている段階のため、先着2社にかぎり制作費0円のモニター枠もあります。
まとめ|ホームページの写真は、いま出せる枚数から決める
2026年9月14日の実測です。
- 新潟市の接骨院と訪問看護の92サイトで、トップページの写真は合計530枚。1サイトの中央値は3枚
- 写真が1枚も見つからないサイトが18。うち15が訪問看護
- 無作為に開いた30枚のうち、実際に写真が写っていたのは25枚。人が写っているものが14枚
- 知恵袋の相談99件では、用意する側の相談30件より、写りたくない側の相談35件のほうが多い。35件のうち25件が2020年以降
- 写真の容量は中央値125KB。500KBを超えるものが48枚、1MBを超えるものが11枚
写真が集まるまで公開を待つ必要はありません。外観と入口の2枚から始めて、顔の話はスタッフと決めてから進めれば、順番に足していけます。
いま何枚あるかの数え直しは無料のサイト診断でお引き受けします。屋号とサイトのURLを送っていただければ、この記事と同じ手順で数えて返します。
