「原稿をご用意ください」
ホームページの話が進んだあと、制作会社から最初に届くのがこの一言です。ページの割りつけは決まり、デザイン案も上がってきた。あとは文章を入れるだけという段階で、診療や相談業務を終えた夜に、白紙のファイルを開いたまま何も進まない。3週間経っても、送れたのは院の住所と電話番号だけ。そういう状態のまま止まっているサイトがあります。
僕は新潟で医療機関・接骨院・士業のホームページを作っていて、制作費には原稿の執筆を含めています。それでも、初回の相談でいちばん多く聞かれるのは「文章はこちらで書かないといけませんか」です。
結論を先に書きます。2026年9月12日にYahoo!知恵袋の質問ページを397件開き、事業や団体のサイトに載せる文章についての相談29件を数えました。いちばん多かったのは、誰が書くことになっているのかが決まっていない相談で10件です。あわせて新潟の接骨院と社労士事務所のサイト86件を開き、トップページに載っている日本語の文字数を数えました。中央値は1,578字でした。
いま原稿を抱えたまま止まっている方は、無料のサイト診断に屋号とサイトのURLを送ってください。いまのサイトに何字入っていて、どのページの文章が足りていないかを数えて返します。
<!-- def --> 原稿とは、ホームページに載せる文章の下書きのことです。見出し・本文・料金表の説明・院長あいさつなど、デザインの枠に流し込む前の文字がすべて含まれます。
何を、どうやって数えたか
測定日は2026年9月12日です。数えたものは2つあります。
1つ目はYahoo!知恵袋です。「ホームページ 原稿 書けない」「ホームページ 文章 誰が書く」「ホームページ制作 原稿 用意」「ホームページ 文章 代行」「ホームページ 何を書けばいいか」など20語で検索し、一覧を延べ443件ぶん読みました。重複を除くと397件です。この397件すべての質問ページを開いています。うち392件は本文と回答まで読めて、5件は削除などで開けませんでした。なお20語のうち2語は、語を4つ並べたため検索結果が0件でした。
2つ目は名簿です。新潟市の接骨院115院と、新潟市を中心とした社労士137事務所の実測名簿から、自社サイトのURLが確認できていた94サイトを開きました。読めたのは86サイトです(接骨院43・社労士43)。残る8件は、ドメインが切れている・403で拒否される・404になるなどで開けませんでした。
他社サイトのHTMLは、まず <meta charset> を読んで文字コードを判定してから文字数を数えています。86サイトのうち8サイトはShift_JISでした。ここを見ずにまとめて数えると、日本語が化けて「文字が入っていないサイト」として集計されます。
質問文はそのまま引用せず、短く言い換えています。質問者が特定できる書き方はしていません。相談に出てくる制作会社の社名も、この記事には書きません。
397件のうち、文章の相談は29件だった
開いた397件のうち、カテゴリが「ホームページ作成」または「インターネットビジネス、SOHO」だったのは166件でした。そこから、趣味のサイト・学校の課題・HTMLの書き方など、事業のホームページの文章とは別の話を外すと29件が残ります。分類は本文と回答を読んで振り分けました。
| 相談の中身 | 件数 |
|---|---|
| 誰が書くのか、書いてくれる先はあるのか | 10 |
| 原稿込みだといくらになるのか | 5 |
| 公開したあと書き続けられない | 5 |
| 何を書けばいいか分からない | 4 |
| 原稿待ちで制作が止まっている | 3 |
| 渡された文章の流用・著作権 | 2 |
29件のうち、依頼する側からの相談が23件、制作する側からの相談が6件です。制作側の6件は中身が具体的でした。2024年11月の相談では、デザインも実装も終わり、テキストを流し込めば公開できる状態のまま、原稿が届かずに納品予定日から4か月が過ぎています。着手から数えると半年です。依頼主は忙しく、返信も途切れている。前金は全額受け取っているので動くこともできない、という内容でした。
同じ構図の相談が、11年前にもあります。写真1枚と文章が上がってこないまま数週間が過ぎる、という制作者の投稿です。原稿は、制作の工程でいちばん止まりやすい場所です。デザインやコーディングは制作会社の手元で終わりますが、原稿だけは本業の合間を縫って書かれるのを待つしかありません。
いちばん多いのは「誰が書くのか」が決まっていないこと
最多だった10件は、文章そのものの相談ではありませんでした。制作会社に頼んだら文章まで書いてもらえるのか、それとも自分で用意するものなのか、という分担の確認です。
- 制作会社では文章を誰が書いているのか、専属のライターがいるのかという質問
- 載せる文章を代わりに書いてくれる会社を探している、という質問
- デザイン案は上がってきたが、中身の企画は誰がやるのかという質問
- 原稿は自分で作るので、それ以外を安く引き受けてくれる先はないかという質問
2024年3月には「依頼人と話し合いながら、中身の文章も使う写真も仕上げた状態で売ることは、なぜできないのか」という質問も投稿されています。回答は「文章まで作ると取材と執筆の工数がかかるので、そのぶん金額が上がる」という趣旨のものでした。
費用の相談5件も、この分担とつながっています。ある質問では、写真と原稿を自分で用意する標準プランが60万円台、写真も原稿も任せる形が210万円だったと書かれていました。10年以上前の投稿ですが、原稿を誰が書くかで金額が変わる構造は、いまの見積書でも同じです。見積もりを比べるときに何を見ればよいかは、相見積もりを比べられない理由にまとめています。
原稿はどれくらいの量が要るのか?
「用意してください」と言われても、どれくらいの量を書けばいいのかは誰も教えてくれません。そこで、実際に公開されている同業のサイトを数えました。
トップページのHTMLからscriptとstyleとタグを取り除き、ひらがな・カタカナ・漢字だけを数えた結果です。メニューやフッターの文字も含んだ数え方なので、本文だけの量はこれより少なくなります。
| 業種 | サイト数 | トップページの中央値 | 1,000字未満 | 3,000字以上 |
|---|---|---|---|---|
| 接骨院・整骨院 | 43 | 1,639字 | 11件 | 14件 |
| 社労士事務所 | 43 | 1,552字 | 9件 | 4件 |
| 合計 | 86 | 1,578字 | 20件 | 18件 |
86サイトのうち20件(23%)は、トップページが1,000字未満でした。公開はされていて、住所と電話番号と施術メニューの名前だけが並んでいる状態です。
下層ページまで含めるとどうなるかも測りました。接骨院のサイトを名簿の先頭から24件、内部リンクをたどって1サイトあたり最大6ページまで開き、合計119ページを数えています。24件までとしたのは、1サイトずつ開いて数える時間の都合です。全体の傾向ではなく、先頭24件の結果として読んでください。
| 測った範囲 | サイト数 | 合計文字数の中央値 |
|---|---|---|
| トップページのみ | 24 | 2,298字 |
| 最大6ページ分 | 24 | 5,164字 |
中央値で5,164字、最少は1,512字でした。原稿用紙に直すと13枚ほどです。1ページあたりでは900字前後になります。院長あいさつ、施術の説明、料金表、アクセス、よくある質問。この5つを埋めれば届く量です。
文字数だけを見れば、書ける量です。それでも止まります。院長が机に向かえるのは診療を終えた夜で、そこから900字ぶんを5回書くことになります。
原稿が書けないときに、先に決めること
29件の相談と、これまでの制作から、進め方を3つに分けて書きます。
1. 契約の前に、原稿を誰が書くかを見積書の項目で確かめる
「ライティング」「原稿作成」「取材」のいずれかが見積書に入っていれば、制作会社が書く前提です。入っていなければ、原稿は依頼主が用意する前提になっています。金額の安い見積もりほど、この項目が外れています。ここを確かめないまま契約すると、デザインが終わった段階で白紙のファイルを渡されます。
2. 自分で書く場合は、文章ではなく材料を出す
整った文章にしようとするから止まります。書くのは箇条書きで十分です。よく来る患者さんの症状、施術にかかる時間、他院から移ってきた方に多い理由、料金の内訳。この材料さえあれば、文章の形にするのは書き手の仕事です。材料を出す形で進めた場合、ヒアリングは1回30分ほどで終わります。
3. 公開後に書き続ける分は、最初から別に考える
相談29件のうち5件は、公開したあとの話でした。病院に勤める方が毎日更新を命じられ、載せる記事がなくて困っているという相談もあります。公開までの原稿と、公開後に積み重ねる記事は別の仕事です。当方では月額の記事運用を分けて用意していて、月1回のチャットヒアリングで現場の話を聞き、記事の形にしています。
AIに書かせる方法も相談に出てきました。2024年6月の質問では、リニューアルされた会社サイトの社員紹介ページが支離滅裂で、仕事のやりがいを語る途中で食べ物の話に変わり、同じ社員の写真が2枚とも別人だった、という報告があります。文章を出す道具は増えましたが、事実の確認は残ります。医療広告や柔整の広告ガイドラインに触れる表現は、書いたあとに必ず確認が要ります。
よくいただく質問
原稿は、本当にこちらで書かなくていいのですか
はい。当方のホームページ制作(330,000円・税込)には、全ページの文章執筆と法令チェックを含みます。書いていただくのではなく、ヒアリングでお聞きした内容をこちらで文章にします。原稿をご用意いただいた場合でも金額は変わりません。
ヒアリングにはどれくらい時間がかかりますか
初回で30分から1時間です。やり取りはメールとチャットで完結し、会議や電話の時間は原則いただきません。診療の合間に返信いただく形で進められます。
書いてもらった文章が、自分の言葉と違っていたら直せますか
直せます。確認用URLを共有してから2週間は、回数の制限なく修正を受け付けています。言い回しが自分の話し方と違う場合は、その場で書き換えます。公開後2週間の誤字・不具合の修正も無償です。
すでに原稿が半分だけできています。その場合はどうなりますか
できている部分はそのまま使い、足りない部分をこちらで書きます。途中まで書かれた文章は、事業の言葉が入っているので貴重です。捨てずにお送りください。
公開したあとの記事も書いてもらえますか
月額33,000円(税込)からの記事運用でお引き受けしています。月1本の記事の執筆・公開と、広告表現のチェック、更新対応を含みます。記事の執筆を含まず、更新と表示の維持だけをする27,500円(税込)の保守もあります。
費用を抑えたいのですが、方法はありますか
いま初めての実績を作っている段階なので、先着2社にかぎり制作費0円のモニター枠を設けています。原稿の執筆はモニターでも同じように含みます。
まとめ|ホームページの原稿が書けないときに確かめる3つ
2026年9月12日に測った結果を、3つにまとめます。
- 知恵袋の質問397件を開き、事業のサイトの文章についての相談は29件でした。最多は、誰が書くのかが決まっていない10件です。文章そのものが書けないという相談は4件でした
- 同業86サイトのトップページは、中央値1,578字でした。1,000字未満のサイトが20件あります。下層まで含めた接骨院24サイトの合計は、中央値5,164字です
- 見積書に「ライティング」「原稿作成」の項目があるかどうかを、契約の前に確かめてください。入っていなければ、白紙のファイルは自分の机に来ます
原稿を抱えたまま止まっている方は、無料のサイト診断をご利用ください。いまのサイトの文字数と、足りていないページを数えて返します。制作をご依頼いただく場合も、文章はこちらで書きます。
<!-- measure --> 測定の注記:測定日2026年9月12日。Yahoo!知恵袋は20語で検索し、一覧を延べ443件・重複を除く397件の質問ページを開いて、本文と回答を読んだうえで分類しました(うち5件は開けず)。サイトの文字数は、名簿94サイトのうち読めた86サイトのトップページを対象に、<meta charset> で文字コードを判定して復号し、scriptとstyleとHTMLタグを除いたあとの、ひらがな・カタカナ・漢字の数です。メニューとフッターの文字を含みます。下層ページの合計は、接骨院の名簿の先頭24サイトについて、内部リンクの上から5ページまでを開いた結果です(合計119ページ)。順位・アクセス数は測っていません。
