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2026.08.28コラム

障害福祉4,188事業所のホームページを数えた6県の実測

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障害福祉4,188事業所のホームページを数えた6県の実測

先に結論です。6県の障害福祉サービス4種(放課後等デイサービス・就労継続支援B型・生活介護・児童発達支援)4,188事業所のサイトを数えました。名簿にサイトのURLが載っているのは3,338件(79.7%)、実際に開けたのは3,055件で、採用ページの中身まであるのは1,693件(到達の55.4%)でした。

そして、いちばん差がついたのはサービスの種類でも県でもありませんでした。割れたのは法人格です。社会福祉法人は採用ページの中身がある割合が69.4%なのに、NPO法人は24.7%。44.7ポイント開きました。 うちの料金と進め方は料金と進め方に先に出してあります。以下、数え方も、あとで見つけた自分の判定の誤りも全部書きます。

どうやって数えたか

対象は、障害福祉サービス等情報公表システムから作った6県の事業所名簿です。対象は放課後等デイサービス・就労継続支援B型・生活介護・児童発達支援の4種です。サービス指定の数でいうと5,333件あります。

障害福祉サービス等情報公表制度とは、事業者の報告をもとに公表される仕組みのことです。事業者がサービスの内容などを都道府県知事等へ報告し、知事等がその内容を公表します。 平成30年4月に施行されました。根拠は障害者総合支援法第76条の3と児童福祉法第33条の18です(厚生労働省のページで2026年8月28日に確認)。ここに載るサイトのURLは、事業所が自分で届け出た情報です。 だから「名簿にURLが無い」は「サイトが無い」ではなく「届け出ていない」を含みます。

ただしこの5,333件には、同じ場所が何度も出てきます。 多機能型事業所は1か所で複数のサービスを指定されているからです。事業所番号でまとめ直すと4,188事業所で、うち1,098事業所が2つ以上のサービスを持っていました。この記事で「◯◯件」と書いたときは、原則としてまとめ直したあとの事業所の数です。 サービスごとに割る節と定員で割る節だけは、サービス指定の行で数えます(定員はサービスごとに決まるためです)。そこには断りを入れました。

サイトを開いた測定日は2026年8月19日です。 そのあと判定を確かめ直した日が2026年8月28日です。数字が変わったところは、どちらの日のものか分かるように書きました。

段の分け方は、前に書いた訪問看護と訪問介護2,232件の記事と同じ物差しを使っています。ただしそちらと違うのは、今回は「名簿にURLが載っているか」から数えていることです。 訪問看護のときはURLがある事業所だけを分母にしていたので、その手前が見えていませんでした。

段何を見たか
0名簿にサイトのURLが載っているか
1そのURLが開けたか。httpとhttpsの入れ替え、wwwの付け外しまで試す
2トップページに採用・求人・募集などの語を含むリンクがあるか
3そのリンク先に募集要項や雇用形態などの語があるか
4採用ページに給与額が数字で書いてあるか/そのページから応募フォームに届くか

文字コードはmeta charsetを読んでからcp932とeuc-jpにフォールバックして開いています。到達したうちcp932が157件、euc-jpが7件、置換を挟んだものが10件ありました。この処理を入れずにバイト列のまま数えると、この174件は中身が空だと誤判定されます。

結果1:4,188件が、3つそろう88件まで減る

段件数割合
名簿にある4,188―
URLが載っている3,338名簿の79.7%
開けた3,055URLありの91.5%
採用の入口リンクあり2,031到達の66.5%
採用ページの中身あり1,693到達の55.4%
給与額が読める447到達の14.6%
その場で応募できる376到達の12.3%
3つすべてそろう88到達の2.9%

そのほかの項目も並べておきます。httpsになっているのが2,511件(82.2%)です。スマホ向けの指定があるのが2,507件(82.1%)、問い合わせフォームがあるのが1,927件(63.1%)でした。

開けなかった283件の内訳も出しておきます。内訳はこうです。ドメインが名前解決できない83件、404が79件、SSLの接続に失敗46件。機械を断っている403が33件、500番台のサーバーエラー16件、タイムアウト13件、そのほか13件です。名簿にURLが載っていても、いま開けるとは限りません。

結果2:サービスで割ると、就労継続支援B型だけが全部低い

ここからの2つの節は、まとめ直す前のサービス指定5,333件で数えます。多機能型事業所は、持っているサービスの数だけ登場します。

測ったもの放課後等デイ児童発達支援生活介護就労継続支援B型
サービス指定1,6249061,1811,622
URLが載っている80.7%81.9%84.8%75.1%
採用ページの中身54.4%56.7%65.7%44.9%
給与額が読める18.4%16.8%16.6%8.7%
その場で応募できる12.3%13.8%11.8%10.2%
職種が書いてある30.3%32.8%38.6%19.8%

就労継続支援B型は、名簿にURLが載っている割合から採用ページ、給与、職種まで、4項目すべてで最下位でした。 給与額が読めるのは97件(8.7%)で、いちばん高い放課後等デイサービスの18.4%とくらべて半分以下です。

反対の端にいるのが生活介護です。URLが載っている割合84.8%も、採用ページの中身65.7%も、職種の記載38.6%も、4サービスの中でいちばん高くなっています。

採用サイトを別のドメインに置いている割合にも大きな差が出ました。放課後等デイサービスは11.2%、児童発達支援は14.9%が別ドメインなのに対して、就労継続支援B型は1.3%、生活介護は3.3%です。 児童向けの2サービスは株式会社の運営が多く、採用を専用サイトに切り出している例が目立ちます。

なお、就労継続支援B型のページには、利用者に払う工賃の額が載っていることがあります。これを職員の給与として数えると間違いになります。拾った文字列を全部見て、工賃を含むものが1件もないことを確かめました。 ここは前もって疑っておかないと、B型だけ数字が跳ね上がります。

結果3:定員が大きいほど採用ページがある、ように見えるだけ

今回の名簿には定員が入っています。訪問看護のときには無かった列なので、規模で割ってみました。定員はサービスごとに決まるので、この節もサービス指定の行で数えます。

定員到達採用ページの中身給与額が読める
10人以下1,89753.3%17.7%
11〜20人1,11149.6%9.5%
21〜40人43564.4%18.9%
41人以上18483.2%14.1%

10人以下の53.3%から41人以上の83.2%まで、30ポイント差です。規模が大きいほど採用ページが整っている、と読みたくなります。ただしこれは、そう読んではいけない数字でした。

定員の分布はサービスごとにまるで違います。放課後等デイサービスと児童発達支援は定員10人以下がほとんどで、41人以上はほぼ生活介護です。つまり上の表は、規模の差ではなくサービスの差を見ている可能性があります。

そこでサービスを固定して、もういちど割り直しました。数字は採用ページの中身がある割合です。

定員生活介護就労継続支援B型放課後等デイ
10人以下50.2%(215件)43.6%(165件)53.1%(985件)
11〜20人62.6%(326件)43.6%(674件)52.5%(59件)
21〜40人74.2%(178件)54.1%(209件)件数が少なく比較しない
41人以上83.8%(167件)件数が少なく比較しない件数が少なく比較しない

生活介護では定員が上がるほど採用ページの中身がある割合も上がり、10人以下と41人以上で33.6ポイント開きました。就労継続支援B型では10.5ポイント、放課後等デイサービスではほとんど動きません。 全体で見えた30ポイントの差は、大部分が生活介護の内側の差です。

給与額のほうは、生活介護でも定員に沿って上がりませんでした。21〜40人の24.2%が最も高く、41人以上は13.8%に下がります。大きい事業所ほど採用ページはあるが、そこに条件が書いてあるとは限らない。 これは前の記事で法人サイトへの相乗りについて書いたことと同じ形です。

結果4:法人格の差は、サービスの差より大きい

ここからは、また事業所でまとめ直した数字に戻ります。

法人格到達採用ページの中身給与額その場で応募
社会福祉法人1,18469.4%14.1%14.9%
株式会社88158.5%20.0%12.7%
NPO法人45724.7%8.8%6.1%
合同会社16436.0%18.3%9.8%
一般社団法人12030.8%13.3%5.8%
公的7573.3%1.3%30.7%

NPO法人457件の採用ページ率24.7%は、社会福祉法人の69.4%から44.7ポイント離れています。今回いちばん大きな差です。 サービス種別でついた差(44.9%対65.7%)よりも開いています。

もうひとつ向きが逆になるところがあります。採用ページの中身がある割合は社会福祉法人が高くなっています。ところが給与額が読める割合は株式会社の20.0%が最も高く、社会福祉法人は14.1%でした。 公的にいたっては採用ページ率73.3%に対して給与額は1.3%で、応募フォームの30.7%だけが突出しています。行政の採用情報は募集要項のPDFや別の案内ページに置かれることが多く、ページ本文からは金額が読めない形になっていました。

ここでの言い方には気をつけます。法人格そのものが原因だとは言えません。 法人格は運営の規模やサイトを作った時期と一緒に動くので、ここで言えるのは分布の形までです。

結果5:市町村の大きさでは、差がつかなかった

6県の218市町村に分かれています。事業所の数が多い9市町村(名簿100件以上)で1,340件、全体の32.0%が集まっていました。

市町村の規模市町村数名簿URL掲載採用ページの中身給与額
100件以上91,34079.8%52.0%15.1%
50〜99件1178182.3%58.4%10.7%
20〜49件321,02079.0%57.4%17.4%
19件以下1661,04778.3%55.8%14.2%

都市部ほど整っている、という差は出ませんでした。 URLが載っている割合は78〜82%の範囲に収まり、採用ページの中身も52〜58%です。むしろ給与額は20〜49件の市町村が17.4%でいちばん高く、100件以上の市町村は15.1%でした。

これは営業する側にとっては使える結果です。事業所の数が少ない町村だからサイトが弱い、という前提は成り立ちません。 どこで営業しても、開いてみるまで分かりません。

自分の判定を疑い直した

数え終わってから、8月28日に判定そのものを確かめ直しました。

誤り1:給与額を452件と数えていたが、447件でした。 拾った文字列を全部読み直し、手当や工賃を拾っていないかを見ました。引っかかったのはサービス指定の行で6行、事業所にすると5件です。うち3件は同じ法人サイトの採用ページを共有していて、今日そのページを開き直したところ、書いてあるのは「社内規定に基づく月給」と昇給の前年度実績額だけで、給与額そのものはありませんでした。 機械は昇給の実績額を給与として拾っていました。この3件は取り消しています。

残り2件は、基本給の一定割合として計算される手当の額を拾ったものです。このサイトはhttpのみで公開されていて、今日はhttps側で接続を断られたため開き直せていません。 拾った文字列だけで判断して取り消したので、この2件は再確認できていない訂正です。

誤り2:91件と数えていた「3つそろう」も88件になります。 上の3件がここに入っていたためです。

限界1:事業所の数とサイトの数は違います。 到達した3,055件が使っているドメインは1,413個しかありません。給与額が読める447件は174サイト、3つそろう88件にいたっては36サイトです。同一法人の複数事業所が同じサイトを共有しているので、事業所で数えるとサイト数より大きく出ます。 この記事の割合は「事業所から見た割合」で、「サイトの出来ばえの分布」ではありません。

限界2:JavaScriptで後から描画されるフォームと、画像だけで作られた応募導線は拾えません。 447件も376件も下限の数字です。

そろっている例を3つ挙げます。いずれも2026年8月28日に開き直して確認しました。社会福祉法人つつじが丘(群馬県桐生市)は学歴ごとの月給を3段階で並べたうえで、同じページの下にメールフォームと電話番号を置いています。社会福祉法人ロングラン(新潟県柏崎市)は基本給に加えて処遇改善手当や資格手当の額まで出し、ページ内にエントリーフォームがありました。社会福祉法人佐渡福祉会(新潟県佐渡市)は平均年収と募集職種を出しています。ただしこちらの導線は問い合わせフォームで、応募専用の入口ではありませんでした。

訪問看護の記事と並べる

同じ物差しを、サービスを変えて当てた形になります。

測ったもの今回(障害福祉4種)訪問看護・訪問介護
分母の作り方名簿4,188事業所から名簿のURLがある2,232件から
到達3,0551,869
採用ページの中身55.4%69.4%
給与額が読める14.6%15.9%
その場で応募できる12.3%14.3%

採用ページの中身がある割合は、障害福祉のほうが14.0ポイント低くなりました。給与額はほぼ同じです。 訪問看護の記事では「採用ページの有無ではもう差がつかない」と書きましたが、障害福祉では入口の段階でまだ差がついています。詳しい数え方は6県2,232件を数えた記事と新潟市の訪問介護125事業所の記事に書きました。

よくいただく質問

NPO法人の採用ページ率が低いのは、そもそも採用していないからでは

その事情はあると思います。今回の数え方は「サイトに採用ページの中身があるか」だけを見ていて、募集しているかどうかは分かりません。ただ、NPO法人457件のうち問い合わせフォームがあるのは259件(56.7%)で、こちらは社会福祉法人の60.1%とほとんど変わりません。 サイトを作る力の問題ではなく、採用の情報だけが載っていない形です。

名簿にURLが載っていない850件は、サイトを持っていないということですか

そうとは限りません。名簿に載せていないだけで、サイトはあるかもしれません。 今回はそこを追いかけていないので、「名簿から辿れるか」までの数字として読んでください。事業所を探している家族も、採用に応募する人も、まず名簿や検索から辿ります。辿れないことそのものが機会の取りこぼしになります。

3,338件も開いて、相手のサーバーに迷惑はかかりませんか

同じドメインは1回だけ開いて、同居する事業所すべてに結果を配る作りにしています。1,413個のドメインに対して、トップと採用ページを中心に開きました。403で機械を断っているサイトは、それ以上追いかけていません。

うちの事業所ぶんの判定を見せてもらえますか

できます。事業所名かURLをお送りいただければ、今回の項目をそのままお返しします。中身は上の「数え方」に書いたとおりです。無料のサイト診断からどうぞ。

まとめ|障害福祉のホームページで先に手をつけるところ

  • 6県の障害福祉4サービス4,188事業所のうち、名簿にURLが載っているのは3,338件(79.7%)、開けたのは3,055件
  • 採用ページの中身まであるのは1,693件(55.4%)、給与額が読めるのは447件(14.6%)、その場で応募できるのは376件(12.3%)。3つそろうのは88件(2.9%)
  • サービスで割ると就労継続支援B型が4項目すべてで最下位。給与額は8.7%で、放課後等デイサービスの半分以下
  • いちばん開いたのは法人格。社会福祉法人69.4%に対してNPO法人24.7%で、44.7ポイント差。サービス種別の差より大きい
  • 定員が大きいほど採用ページがあるように見えるが、サービスを固定すると生活介護の内側の差だった
  • 市町村の大きさでは差がつかなかった。事業所が少ない町村だからサイトが弱い、という前提は成り立たない
  • 自分の判定は1か所まちがえていた。給与額は452件から447件へ訂正。昇給の実績額を給与として拾っていた
  • 測定日は2026年8月19日、判定のやり直しは2026年8月28日

先に手をつけるなら、新しいページを作るより、いまある採用ページに給与の幅と応募先を足すほうが先です。 そこまでやっている事業所は、6県で100件に3件しかありませんでした。

測定した全項目は手元のファイルに残してあります。数え方に穴が見つかったら、この記事に追記します。

採用ページに何をどの順で書くかは、訪問看護ステーションの制作見本で見られます。障害福祉の事業所でも、応募者が見る欄はほぼ同じです。

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求人ページに、給与額は書いてありますか。

訪問看護と訪問介護2,232件を数えたときと同じ項目で、事業所のサイトと求人ページを見ます。採用のときに実際に見られる欄が、いくつ埋まっているかを無料で数えてお返しします。

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