「作ってもらった会社に電話しても、つながりません」
Yahoo!知恵袋でホームページ制作会社との連絡について検索すると、この形の相談が並びます。電話は使われていない番号になっている。メールも返らない。営業時間や料金を直したいのに、どこを触れば直るのかが分からない。相手が本当に倒産したのかどうかも、確かめようがない。
僕は新潟で接骨院や士業のホームページを作っていて、他社が作ったサイトの引き継ぎ相談も受けます。そのとき最初に聞くのは、デザインの話ではありません。ドメインとサーバーの情報が手元にあるかどうかです。ここで、その後にできることが大きく変わります。
結論を先に書きます。2026年9月11日にYahoo!知恵袋の質問ページを213件開き、依頼先と実際に連絡が取れなくなっていた39件を数えました。いちばん多かったのは、ドメイン・サーバー・管理画面のログイン情報が手元にないという詰まりで18件です。
いま連絡がつかなくて困っている方は、無料のサイト診断に屋号とサイトのURLを送ってください。相手との交渉は代行できませんが、いまのサイトがどこの会社の設備で動いていて、何が手元にあれば動かせるのかは、外から見える範囲で調べて返せます。
<!-- def --> ドメインの管理権とは、そのURLを毎年更新するかどうかと、どのサーバーに向けるかを決められる立場のことです。
何を、どうやって数えたか
測定日は2026年9月11日です。数えたものは2つあります。
1つ目はYahoo!知恵袋です。「ホームページ制作会社 連絡が取れない」「ホームページ 納品されない」「ホームページ制作 音信不通」「ホームページ制作会社 倒産」「ホームページ 更新してもらえない」「web制作会社 連絡取れない」「ホームページ制作 解約 できない」「ホームページ 管理会社 連絡 取れない」の8語で検索し、一覧を延べ231件ぶん読みました。重複を除くと213件です。この213件すべての質問ページを開いて、本文とついた回答まで読んでいます。分母は開いた213件です。
2つ目は新潟市の接骨院の名簿です。115院のうち、自社サイトのURLを確認できていたのが52行ありました。同じサイトを共有している院があるので、ホストの実数は47です。この47について、URLが自分で取ったドメインなのか、他社サービスの中に置かせてもらっている形なのかを分けたうえで、自分のドメイン42件のwhois(登録情報の公開データベース)を引きました。
質問文はそのまま引用せず、短く言い換えています。質問者が特定できる書き方はしていません。相談に出てくる制作会社の社名も、この記事には書きません。
213件のうち、実際に起きていたのは39件
開いた213件は、次のように分かれました。
| 何が書かれていたか | 件数 |
|---|---|
| 依頼先と連絡が取れない・倒産した(すでに起きている) | 39 |
| そうなったらどうなるのかを、起きる前に聞いている | 4 |
| 社内の前任者が辞めて、サイトを引き継げない | 3 |
| 題材違い(業者選び、契約や解約の話、制作する側の相談など) | 167 |
39件の中身をもう少し分けると、倒産・解散・夜逃げにはっきり触れていたのが26件、相手がどうなったのか分からないまま連絡だけが途絶えたのが13件でした。
投稿された年もばらつきます。2015年以前が29件、2016年以降が10件です。古い相談が多いのは、当時のリース商法が話題になった時期と重なるためで、いまは起きないという意味ではありません。39件のうちいちばん新しいものは2026年2月の投稿で、制作会社が倒産したあと毎月の引き落としをどう止めればいいかを聞いています。
39件は、どこで止まっていたのか
39件それぞれについて、質問者がいちばん困っている点を1つに寄せて分けました。
| 詰まっていた場所 | 件数 |
|---|---|
| ドメイン・サーバー・管理画面のログイン情報が手元にない | 18 |
| 情報はあるが、自分では中身を直せない | 8 |
| 支払い・契約が止まらない | 5 |
| 払ったお金とデータが返ってこない | 3 |
| 古いサイトが消せない、検索に残り続ける | 3 |
| 相手が倒産したのかどうか分からない | 2 |
上から2つで26件です。39件のうち3分の2は、相手を追いかける話ではなく、自分のサイトを自分で動かせるかどうかの話でした。
いちばん多い18件は、ほとんど同じ形をしている
18件を読むと、内容はばらばらでも、行き止まりの位置がそろっています。
- サーバーのFTP情報を制作会社しか持っておらず、中のファイルに手が届かない
- ドメインを制作会社が代理人として取得していて、whoisにも取得者の情報が出てこない
- 管理画面にはログインできるが、権限が制限されていて文言を変えられない
- ドメインの更新料を毎年その会社に払っていたので、どこのレジストラで登録されているのかを誰も知らない
たとえば店の電話番号が変わっただけの相談があります。直すのは1行ですが、その1行のあるファイルに届く手段がありません。別の相談では、ドメインの更新が止まってサイトがそのまま消えました。更新料の請求が制作会社を経由していたため、止まったことに気づけない状態でした。
39件のうち37件にはベストアンサーが付いていて、そこで案内されていた対処は分かれます。弁護士や破産管財人に相談するよう勧めていたのが10件、作り直し・ドメインの取り直しを勧めていたのが8件、契約書や請求書を探すよう勧めていたのが7件、ドメインの登録を扱っている会社に問い合わせるよう勧めていたのが6件でした。回答数の中央値は2件で、多くの相談は数人の回答で終わっています。
Whoisを見れば、ドメインの名義は分かるのか
知恵袋の回答では「whoisで調べる」という案内が3件ありました。実際にどこまで読めるのかを、新潟市の接骨院の名簿で測りました。
自分のドメイン42件を引いた結果です。
| whoisから読めたもの | 件数 |
|---|---|
| レジストラ(登録を扱っている会社の名前) | 40 |
| ドメインの登録日と有効期限 | 40 |
| 登録者名(個人名・法人名) | 2 |
| 登録そのものが見つからない | 2 |
登録者名が読めたのは42件中2件だけでした。残りは代理公開の表示になっているか、そもそも項目が出てきません。つまりwhoisで分かるのは「どこの会社を通して登録されているか」と「いつ切れるか」までで、名義が院なのか制作会社なのかは、ここからは判定できません。
だから確かめる先は請求書です。ドメインとサーバーの利用料が、どの会社から、誰あてに請求されているか。カードや口座から毎年引き落とされている項目に、レジストラの名前があるか。知恵袋のベストアンサーで請求書を探すよう案内していた7件も、同じことを言っています。
保守の月額に何が含まれているかを整理した保守で月に何をしているのかを分解した記事と、サブスク・リース型のホームページ契約の相談を数えた記事にも、契約書のどこを見るかを書いてあります。この記事では名義と管理情報の話にしぼります。
新潟市の接骨院52サイトを測ったら、2件はドメインごと消えていた
同じ日に、名簿のサイトも測りました。
- 自社サイトのURLを確認できていた52行、ホストの実数は47
- そのうち42が自分で取ったドメイン、5が他社サービスの中に置かせてもらっている形(無料ホームページサービスのサブドメインなど)
- 42のうち2件は、whoisに登録が見つかりません。名前解決もできず、URLを開いても何も出ません
この2件は、2026年8月20日に名簿を作ったときも「痕跡はあるが開けない」と記録していた院でした。今回whoisまで引いて、ドメインの登録そのものが残っていないことを確認しています。院名とドメイン名は書きません。
残る40件は有効期限が読めました。今日から数えて90日以内に更新期限が来るのが8件、180日以内が14件です。期限が切れているものはありませんでした。更新は多くの場合が自動なので、ここに載ったからといって危ないわけではありません。ただし、その自動更新を誰のカードで払っているかを言えない状態だと、止まったときに気づけません。
他社サービスの中に置かせてもらっている5件は、また事情が違います。URLの後ろ半分が自分のものではないので、そのサービスをやめると、それまでのURLは持ち出せません。接骨院115院がどんなサイトを持っているかは新潟市の接骨院115院の自社サイト保有を測った記事にまとめてあります。
連絡が取れなくなる前に、手元に置いておく3つ
39件を読んで、事前に持っていれば詰まらなかったものは3つに集約できます。
- ドメインの名義と、登録を扱っている会社の名前。更新の請求書またはメールを1通、印刷して保管する
- サーバーの契約者名と、管理画面のログイン情報。契約者が制作会社になっている場合は、そのことを知っておくだけでも違います
- サイトの中身のバックアップ。ファイル一式を年に1回、自分のパソコンに落としておく
いま契約中の会社があるなら、この3つを聞くこと自体は失礼になりません。18件のうち何件かは、聞ける関係のうちに聞いていれば、相手が消えたあとも自分で動けた内容でした。
連絡が取れなくなったあとは、この順番で動く
すでに連絡がつかない場合の順番です。39件とその回答から並べました。
- サイトのURLでwhoisを引き、レジストラと有効期限を確認する。期限が近ければ、ここが最初の締め切りになります
- 請求書・通帳・カード明細から、ドメインとサーバーの支払い先を探す。制作会社ではなくレジストラやサーバー会社から直接請求が来ていれば、そちらに連絡すれば手続きできる可能性があります
- 相手の状況を確認する。法人なら登記情報を取れば、解散や代表者の変更が分かります。破産手続きに入っていれば管財人がいます
- 支払いを止められるかを、契約書の期間と解約条件で確かめる。ローンやリースの支払いは、制作会社が消えても自動では止まりません
- 1〜4で名義を取り戻せない場合は、新しいドメインで作り直すかどうかを決める。39件のうち8件は、回答者もこの判断を勧めていました
1と2を先にやる理由は、この2つだけが期限のある作業だからです。ドメインの更新日を過ぎると、そのURLは第三者でも取得できる状態になります。
数えかたの弱点
3つあります。
1つ目は、知恵袋の偏りです。顧問の税理士や取引のある会社にすぐ聞ける人は、ここには書き込みません。相談が書き込まれるのは、身近に聞ける相手がいない場合にかたよります。
2つ目は、投稿時期がそろっていないことです。213件には2005年の投稿から2026年の投稿まで混ざっています。当時のサーバー事情といまでは、できることが違います。
3つ目は、whoisで測れる範囲の狭さです。今回読めたのはレジストラと期限までで、実際の名義は読めていません。42件のうち名義が院なのか制作会社なのかは、この測定では判定していません。「名義が制作会社になっている院が何件ある」とは書けないので、書いていません。
よくいただく質問
制作会社が倒産したら、ホームページはすぐ消えますか
すぐには消えません。ドメインの有効期限と、サーバーの契約期間が切れるまでは表示され続けます。今回の39件でも、消えたのは更新料の支払いが止まってからでした。逆に言えば、期限までが手を打てる時間です。
ドメインの名義が制作会社になっていた場合、取り戻せますか
契約書に譲渡の取り決めがあるかどうかで変わります。今回の相談の中では、相手と連絡が取れない状態から名義変更まで進んだ経過は読み取れませんでした。回答者の多くは、新しいドメインで作り直す方向を勧めています。
更新できないだけなら、放っておいてもいいのでしょうか
古い情報が残り続けます。今回の39件のうち3件は、営業時間や電話番号が古いままのページを消せずに困っていました。1件は、新しく作ったページより古いページのほうが検索で上に出る状態でした。
引き継ぎをお願いするとき、何を渡せばいいですか
ドメインの管理画面のログイン情報、サーバーのログイン情報、サイトのファイル一式の3つです。この3つがそろっていれば、多くの場合は作り直さずに引き継げます。そろわない場合は、何が無いのかを先に伝えてください。
制作会社を変えると、検索の順位は下がりますか
同じドメインを使い続けるなら、会社が変わったこと自体では下がりません。下がるのは、ドメインを変えて中身を移したときです。今回の相談でも、ドメインを新しく取り直した人がSEOへの影響を心配していました。
まとめ|ホームページ制作会社と連絡が取れないときに見る場所
2026年9月11日に測った結果です。
- Yahoo!知恵袋の質問ページ213件を開き、依頼先と実際に連絡が取れなくなっていた39件を数えた
- 39件の詰まりどころの最多は、ドメイン・サーバー・管理画面のログイン情報が手元にない18件
- 上から2つを合わせた26件は、相手を追う話ではなく、自分のサイトを自分で動かせるかの話だった
- 新潟市の接骨院の名簿から42のドメインをwhoisで引くと、登録者名が読めたのは2件だけ
- 同じ42のうち2件は、ドメインの登録そのものが残っておらず、URLを開いても何も出ない
いま連絡がつく相手がいるなら、ドメインの名義と登録を扱っている会社の名前を、今日聞いておいてください。それだけで、この39件の3分の2は形が変わります。
サイトの状態を一緒に見てほしい場合は、無料のサイト診断に屋号とURLを送ってください。制作の内容と料金はサービスのご案内に、先着枠の条件はモニター募集のページに載せています。
