月々の金額だけを見て契約したホームページを、いまやめたい。制作会社に伝えると、残りの期間ぶんをまとめて払ってください、と返ってくる。
Yahoo!知恵袋には、この形の相談が並んでいます。書いているのは飲食店、美容室、日本料理店、それと「父親が契約してしまった」という家族。業種はばらばらなのに、詰まっている場所は同じでした。月額は覚えているのに、何年の契約なのかを聞かれると答えられないんです。
僕は新潟でホームページを作っていて、金額はサービスと料金に全部出しています。ただ、料金表を並べるだけだと、いま困っている人の役には立ちません。だから今回は、実際の相談を開いて数えました。
ホームページのリース契約とは、制作会社ではなくリース会社が代金を立て替え、利用者はリース会社へ月額を分割で払っていく契約のことです。制作会社との関係が切れても、リース会社への支払いは残ります。
その契約、途中でやめられない形になっていないか
ホームページの払い方は、大きく3つに分かれます。
| 形 | 払い方 | 途中でやめられるか |
|---|---|---|
| 買い切り | 作ったときに制作費を払う。あとは保守だけ | 保守をやめれば終わる |
| サブスク(月額) | 制作費を月額に混ぜて、制作会社に払う | 契約書の最低利用期間しだい |
| リース | リース会社が代金を立て替え、そこへ月額を払う | 原則としてやめられない |
見た目はどれも「月々◯円」で、話を聞いているときには区別がつきません。区別が出るのは、やめたいと言ったときです。
経済産業省と中小企業庁が、この件で「ホームページソフトなどのリース契約はしっかり考えてから!」というチラシを出しています。書いてあるのは3つでした。
- 中小企業は「事業者」として扱われる。事業者間(個人事業者を含む)の取引には、クーリング・オフ制度(特定商取引に関する法律)が適用されない
- リース契約後の中途解除もできない
- リース物件の所有権は、リース期間が終了してもリース会社にある
出どころは経済産業省のPDFです。2026年9月4日にファイルを取得し、1ページ目を読み取りました。資料そのものに発行日の記載は見つからなかったので、日付は書きません。
3つ目がいちばん効きます。5年払い終えても、ホームページは自分のものにならない。 ここを知らずに契約している人が、相談のなかにたくさんいました。
相談40件で、いちばん多かったのは「やめられない」
先に、どう数えたかを書きます。
- 2026年9月4日、Yahoo!知恵袋で3つの語を検索しました。「ホームページ リース 契約」(検索結果に出た件数は約404件)、「ホームページ制作 詐欺」(約224件)、「ホームページ 解約 ドメイン」(約329件)
- この件数は検索結果に表示される名目の値です。全部を読んだわけではありません
- 一覧を上から順にたどり、質問ページを実際に開いたのは40件。うち39件がホームページの制作・運用の契約の相談で、残り1件は動画配信サービスの解約だったので外しました
- 分類は「その人がいちばん聞きたいこと」1つに寄せています。1件が2つの欄に入ることはありません
- 質問文はそのまま載せません。要約して書きます
数えた結果です。
| 困っていること | 件数 |
|---|---|
| 途中でやめられない/やめると残りを一括で請求される | 18 |
| ドメインとデータが自分の手に残らない | 7 |
| 契約の中身が、聞いていた話と違った | 7 |
| 作ってもらえない・消された・連絡がつかない | 3 |
| この契約が妥当なのか判断できない | 4 |
| 合計 | 39 |
上の2つで25件。「高かった」ではなく「抜けられない」が相談の中心でした。金額そのものへの不満を主題にしていた質問は、この40件のなかには1件もありません。
もうひとつ、読んでいて手が止まったところがあります。39件のうち22件は、付いた回答が1件だけでした。ベストアンサーが選ばれていたのは34件です。相談は投げられているのに、返ってくる答えの数がとても少ない。ここは数字を見るまで気づきませんでした。
5年という数字が、20件のうち15件に出てくる
契約年数が読み取れたのは、39件のうち20件です。
| 契約年数 | 件数 |
|---|---|
| 5年(60回・60か月を含む) | 15 |
| 6年(72回払い) | 3 |
| 7年 | 1 |
| 約4年 | 1 |
20件のうち19件が4年以上、15件はぴったり5年。 ホームページの見た目も、検索の仕組みも、5年あればまるごと入れ替わります。相談のなかには「リースが終わるまであと2年、そのあいだ何もできない」という書き込みもありました。
月額が1つの数字で読み取れたのは13件で、いちばん低いのが月1万3千円台、いちばん高いのが月5万円、真ん中は月2万5千円でした。ひと月だけ見れば、保守の相場とそれほど変わりません。
ただ、総額が読み取れた9件を並べると景色が変わります。1店舗ぶんの8件は120万円から300万円まで。残る1件は3店舗ぶんをまとめた契約で、650万円でした。
月額は覚えているのに年数を答えられない、というのはそういうことです。契約書のなかで、いちばん小さく書いてある数字がいちばん効く。
公的な統計に「ホームページ」という項目は無い
数を公的な資料でも確かめようとして、うまくいきませんでした。その過程も書いておきます。
公益社団法人リース事業協会が「小口リース取引に係る自主規制規則の実施状況」を四半期ごとに公表しています。最新は2026年6月17日公表ぶん(対象は2026年1月〜3月)で、次の数字が載っていました。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 会員会社に申し出があった苦情件数(2026年1月〜3月) | 22件(前年同期の11件から倍増) |
| 解決済み20件の原因:サプライヤーの虚偽説明 | 10件 |
| 同:サプライヤーの説明不足 | 3件 |
| 同:その他(キャッシュバック、空リース等) | 6件 |
| 解決済み20件のうち契約解消 | 16件 |
| 苦情が出たサプライヤー17事業者のうち、業務提携契約の解除または新規契約の受付停止 | 8事業者 |
| リース相談窓口の相談件数(2025年度) | 132件 |
相談132件の物件別の上位5つは、セキュリティ関連64件・電話機等22件・複写機20件・厨房機器11件・ソフトウエア9件でした。
この一覧に「ホームページ」という物件名は出てきません。
理由の見当は付きます。知恵袋で開いた39件のうち2件は、本人が「ホームページの制作と管理のつもりだったのに、契約書はソフトのリースだった」「名目はアクセス解析ソフトのリースだった」と書いていました。契約書の物件名がソフトになるなら、統計でもソフトウエアに入ります。ただし協会の資料にその説明はないので、ここは僕の推測です。断定はしません。
出どころはリース事業協会の公表資料です。2026年9月4日に取得しました。
公的な数字で「ホームページのリースが何件あるか」は追えない。だから知恵袋を数えた、というのが今回の順番です。制作会社のコラムに契約の話が出てこない件は制作会社のコラムを読んでも、契約とお金の不安が消えないのはなぜかにまとめてあります。
契約書で先に見る3か所
ここからが本題です。相談39件を分けたあとに残るのは、この3つでした。契約前でも、いま契約中でも、見る場所は同じです。
1つめ、期間。 「何年か」「途中でやめられるか」「やめるといくらか」。この3つが同じページに書いていないなら、その場で聞いてください。口頭の返事はメールに書き写して、相手に送っておく。それだけで残ります。
2つめ、相手。 契約書に制作会社以外の会社名が出てこないかを見ます。リース会社や信販会社の名前があれば、月々の払い先はそちらです。制作会社と連絡がつかなくなっても、支払いは止まりません。 相談39件のうち「作ってもらえない・消された・連絡がつかない」の3件は、全部この形でした。
3つめ、名義。 ドメインが誰の名義かを聞きます。あわせて「解約したときに、サイトのデータとドメインを渡してもらえますか」と聞く。渡すと言われたら、その返事を文字で残しておく。ドメインとデータの相談が7件あったのは、ここを聞いていなかったからです。
聞き方に迷うなら、そのまま使ってください。
| 見る場所 | 相手に送る一文 |
|---|---|
| 期間 | 契約期間は何年でしょうか。途中で解約した場合の金額も教えてください |
| 相手 | 契約書に御社以外の会社名は入りますか。入る場合、月額の支払先はどちらになりますか |
| 名義 | ドメインはこちらの名義で取得していただけますか。解約時にサイトのデータとドメインを引き渡していただけますか |
もう契約してしまっている場合は、まず契約書の現物を探してください。手元に無ければ、リース会社に電話すれば契約年数と残りの回数は教えてもらえます。そのうえで、リース事業協会のリース相談窓口や、お住まいの地域の消費生活センターに相談する道があります。金額が大きいときは弁護士です。知恵袋のベストアンサーも、ほとんどがそこを案内していました。
うちがどういう条件で受けているか
自分の条件を書かずに他所の話だけするのは、フェアじゃないと思うので並べます。すべて税込です。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 制作 | 330,000円(5ページ・原稿の執筆と法令チェック込み) |
| 月額 | 33,000円〜/月。保守と表示の維持だけなら27,500円/月 |
| Googleマップの運用 | 33,000円/月。初期費用なし・縛りなし・月3院まで。順位の保証はしません |
| モニター枠 | 制作費0円+初期費用15,000円。公開の翌月から月額22,000円。先着2社・2026年9月30日まで |
| 最低利用期間 | 12ヶ月。以降は1ヶ月ごとの更新で、1ヶ月前のお申し出で解約できます |
| 12ヶ月以内に解約する場合 | 初期構築費として165,000円 |
| ドメイン | お客様名義で取得し、管理は当方で代行します |
| 解約したとき | サイトのデータもドメインもお客様のものです。一式をお渡しします |
うちにも12ヶ月の縛りはあります。 制作費0円で作らせてもらう枠がある以上、そこは隠さずに書いておきます。12ヶ月以内にやめる場合は165,000円をお願いしています。
違うのは、そこを過ぎたら1ヶ月前に言ってもらえれば終われることと、終わるときにサイトとドメインを持っていってもらうことです。当方でしか触れない形にはしません。詳しい条件はモニター制作のご案内に書いてあります。
金額の比べ方そのものに迷っている場合は、見積もりを3社取ったのに選べない。ホームページ制作費の比べ方のほうが近いはずです。
よくいただく質問
いま契約しているものが、リースかサブスクか分かりません
契約書に制作会社以外の会社名が入っていればリースです。入っていなければ、制作会社との月額契約です。契約書が手元に無ければ、毎月の引き落とし名義を通帳やカードの明細で見てください。制作会社と違う名前が出ていたら、そこがリース会社か信販会社です。
途中でやめると、いくらかかりますか
リースの場合は、残っている回数ぶんをまとめて払うのが原則です。経済産業省と中小企業庁のチラシにも「リース契約後の中途解除もできない」と書かれています。月額契約の場合は、契約書の最低利用期間の欄に金額が書いてあります。書いていなければ、書いていないこと自体を相手に確認してください。
ドメインが制作会社の名義になっていました。取り戻せますか
名義変更(移管)の手続きは制度としてあります。ただ、実際には相手の協力が要ります。知恵袋には、名義は自分なのに管理画面のパスワードを変えられてアクセスできない、という相談もありました。まずは移管の意思をメールで送り、返事を文字で残すところからです。返事が来ない場合は、契約先のリース会社や消費生活センターに間に入ってもらう道があります。
クーリング・オフはできますか
事業者としての契約には、原則として適用されません。経済産業省と中小企業庁のチラシに「事業者間(個人事業者を含む)の取引には、クーリングオフ制度(特定商取引に関する法律)が適用されません」と明記されています。個人事業主でも同じ扱いです。ただし、勧誘のときの説明に虚偽があった場合は別の話になるので、契約解消の実例が出ているリース相談窓口や消費生活センターに相談してください。
いまの契約が終わるまで、何もできませんか
いまのホームページとは別に、新しいサイトを作ること自体は止められません。ドメインを新しく取れば公開できます。ただ、検索の評価は積み上げなので、いま動いているサイトを捨てる判断は慎重にしたほうがいいです。残り期間が短ければ、満了まで待って一式を引き取ってから作り直すほうが、結果的に安く済むこともあります。残り何ヶ月かを先に数えてください。
まとめ|ホームページの契約が解約できないときに確かめる3か所
- Yahoo!知恵袋で契約の相談を40件開いて、39件を分類した(2026年9月4日)。いちばん多いのは「途中でやめられない・やめると残りを一括で請求される」の18件
- 契約年数が読み取れた20件のうち15件が5年、19件が4年以上。月額の真ん中は月2万5千円で、総額は1店舗ぶんで120万円から300万円
- 経済産業省と中小企業庁のチラシによると、事業者間の契約にクーリング・オフは適用されず、中途解除もできず、払い終えても所有権はリース会社にある
- リース事業協会の公表資料には「ホームページ」という物件名が無い。公的な統計では数を追えない
- 見る場所は期間・相手・名義の3つ。契約前でも、契約中でも同じ
いまのサイトのURLを送っていただければ、先に直すべき箇所を3つまでと、作り直すべきか部分的に直せば足りるかの判断をまとめてお返しします。無料で、営業もしません。申し込みフォームの「気になっていること」の欄に契約の話を書いていただければ、そこも分かる範囲でお答えします。ただ僕は弁護士ではないので、法律上の判断まではできません。そこは窓口を案内する形になります。
