自分でホームページを作って、お問い合わせフォームも付けた。企業のサイトの下のほうには「プライバシーポリシー」がたいてい載っているけれど、個人でやっている自分のサイトにも要るのか分からない。載せるとしても、何を書けばいいのか、よそのサイトの文章をまねていいのかも分からない。
これは、Yahoo!知恵袋にあった相談をいくつか合わせて、短く言い換えたものです。ほかにも「制作会社から、ポリシーを載せないと法律違反になるので原稿をくださいと言われたが、本当か」「載せるなら自宅の住所まで書かないといけないのか」という相談がありました。
僕は新潟で医療機関・介護事業所・士業のホームページを作っています。接骨院や介護事業所のサイトには、予約や問い合わせのフォームがよく付いています。そこで、新潟の同業サイトがトップページからプライバシーポリシーへ行けるようになっているかを数えました。
新潟の接骨院・社労士事務所・訪問看護・訪問介護の191サイトを調べたところ、トップページにプライバシーポリシー(個人情報保護方針)へのリンクがあったのは96サイト(50%)でした。業種別では訪問看護が54サイト中33(61%)で最も多く、接骨院は43院中16院(37%)で最も少なくなっています。リンクが無い95サイトのうち、トップページに方針の文章そのものを載せていたのは4サイトでした。
自分のサイトのポリシーの置き場所を確かめたい方は、無料のサイト診断にURLをお送りください。この記事と同じ項目で見てお返しします。
<!-- def --> プライバシーポリシーとは、事業者が預かった個人情報を何のために使い、どう管理し、本人から問い合わせがあったときにどう対応するかを書いて公開する文書のことです。「個人情報保護方針」「個人情報の取扱いについて」という名前で載せているサイトもあります。
何を、どうやって数えたか
数えたものは3つあります。
1つ目は新潟の同業サイトです。手元にある4つの名簿(接骨院・社労士事務所・訪問看護・訪問介護)からホームページのURLを取り出し、同じドメインの重複を除いた209件に、2026年9月26日に接続してHTMLのまま保存しました。トップページを保存できたのは191サイトです。保存するときに <meta charset> を読んで文字コードを判定しています。
保存したHTMLのうち8サイトは、ページが長すぎて保存の上限(60万字)で途中から切れていました。ページの最後にあるリンクを見落とさないように、この8サイトだけ2026年10月4日にトップページを取り直して、全文で判定しています。
2026年10月4日に、この191サイトのトップページについて、次の項目を調べました。
- 「プライバシーポリシー」「個人情報保護方針」「個人情報の取扱い」などの言葉が付いたリンクがあるか
- リンク先が同じサイトの中か、別のドメイン(法人本体のサイトなど)か
- リンクが無い場合、方針の文章そのものがトップページに書いてあるか
- トップページにお問い合わせフォームがある場合、送信の前に同意やポリシーの案内があるか
HTMLの中でコメントにして画面に出なくしてあるリンクは数えていません。調べたのはトップページだけです。お問い合わせページのフォームは、保存した下層ページにほとんど入っていなかったため、フォーム側の同意欄はこの記事では未測定です。また、JavaScriptで後からメニューを組み立てるサイトは、HTMLにリンクが書かれていないため「リンクなし」に入ります。191サイト中、ポリシーのページがあるのにHTMLからリンクが見つからない例を1つ確認しています。
2つ目はYahoo!知恵袋です。「ホームページ プライバシーポリシー 必要」「プライバシーポリシー 個人事業主」「個人情報保護方針 ホームページ」「お問い合わせフォーム 個人情報 同意」など6語で検索し、一覧を延べ187件ぶん読みました。重複を除くと183件です。ホームページのポリシーに関係する作る側・使う側の相談26件を選んで、質問ページを本文まで読みました。投稿日は2006年から2026年までです。質問文はそのまま引用せず短く言い換えています。
3つ目は、法律の一次資料です。個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」と「よくある質問(Q&A)」を、2026年10月4日に開いて該当箇所を読みました。
191サイトは、トップページからポリシーへ行けるか
分母は、トップページを保存できた191サイトです。
| トップページのプライバシーポリシー | 接骨院 | 社労士 | 訪問看護 | 訪問介護 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|
| ポリシーへのリンクがある | 16 | 21 | 33 | 26 | 96(50%) |
| リンクは無いが、方針の文章をトップに載せている | 0 | 2 | 1 | 1 | 4(2%) |
| リンクも文章も見つからない | 27 | 19 | 20 | 25 | 91(48%) |
| サイト数 | 43 | 42 | 54 | 52 | 191 |
リンクがあった割合は、訪問看護が54サイト中33(61%)、社労士事務所と訪問介護がどちらも50%、接骨院が43院中16院(37%)でした。
接骨院は、トップページからポリシーへ行けない院が27院あり、4業種の中で最も多くなっています。予約フォームやLINEの予約を受けている院もあるので、ホームページから名前や電話番号を送ってもらう場面があります。
リンク先が別のドメインになっているサイトは、96サイト中0でした。リンクがあったサイトは、すべて同じサイトの中のポリシーのページにつながっています。
リンクの名前と置き場所
ポリシーへのリンクに付いていた名前を、96サイトで分けました。1つのサイトに複数のリンクがある場合は、「プライバシーポリシー」の言葉があればそちらに数えています。
| リンクの名前 | 接骨院 | 社労士 | 訪問看護 | 訪問介護 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|
| プライバシーポリシー | 15 | 12 | 16 | 18 | 61 |
| 個人情報保護方針(基本方針・宣言を含む) | 0 | 8 | 12 | 6 | 26 |
| 個人情報の取扱い・個人情報保護について | 1 | 1 | 5 | 2 | 9 |
社労士事務所と訪問看護では、「個人情報保護方針」という名前が多く使われていました。社労士事務所のサイトには、マイナンバーを扱うための「特定個人情報保護方針」へのリンクを並べているところもありました。
置き場所は、96サイト中65がページの最後のほう(フッター)でした。残りの31は、メニューや本文の途中、サイドバーなどに置かれています。フッターに置くのは一般的なやり方ですが、スマホではページの最後までたどり着かないと見えません。
作ったツール別に見ると、WordPressのサイトは108サイト中63にリンクがありました。Jimdoのサイトは3サイトとも、ポリシーへのリンクが付いていました。数が少ないので、ツールによって差があるとまでは言えません。
法律では、プライバシーポリシーの掲載は義務なのか
知恵袋で最も多かったのが、この「義務かどうか」という相談でした。この記事では、義務かどうかを判断しません。個人情報保護委員会の資料に何が書かれているかだけを紹介します。
委員会のQ&A(Q10-9)には、安全管理のための「基本方針」の策定は義務ではなく、策定した場合も公表を義務付けるものではない、と書かれています。
一方で、個人情報保護法には、ホームページと関係する決まりがいくつかあります。
| 法律とガイドラインに書かれていること | どこに書かれているか |
|---|---|
| 個人情報を取得したら、利用目的を本人に通知するか公表する(あらかじめ公表している場合を除く) | 法第21条第1項 |
| ホームページの入力画面で本人に書いてもらう場合は、原則として利用目的を明示する。申込内容の確認など、取得の状況から目的が明らかな場合は不要 | 法第21条第2項、Q&A 4-17 |
| 事業者の名前と住所、利用目的、開示などの請求に応じる手続き、安全管理の措置、苦情の申出先を「本人の知り得る状態」に置く(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む) | 法第32条第1項、政令第10条 |
| 開示の手続きなどは、必ずしもホームページに載せなくてよい。問い合わせ窓口を設けて回答できる体制があれば足りる | Q&A 9-1 |
ガイドライン(通則編)は、「公表」に当たる例の1つ目に、自社のホームページのトップページから1回程度の操作で到達できる場所への掲載を挙げています。今回数えた「トップページにポリシーへのリンクがあるか」は、ちょうどこの「1回程度の操作」で届くかどうかに当たります。
ホームページ以外の方法もあります。ガイドラインは、事務所や店舗でのポスターの掲示、パンフレットの備え置きも「公表」の例に挙げています。接骨院の受付に掲示している場合は、この例に当たります。ただ、ホームページのフォームから先に個人情報を受け取る場合、送る人は院内の掲示を見る前に入力することになります。
プライバシーポリシーで迷う人は、何に困っているのか
知恵袋の26件を、何に困っているかで分けました。
| 相談の中身 | 件数 |
|---|---|
| 作る側:自分のサイトにも必要か・載せないと違反か | 10 |
| 作る側:何を書けばいいか・よそのサイトをまねていいか | 6 |
| 作る側:フォームの同意欄の付け方・同意の範囲 | 3 |
| 作る側:自宅の住所や本名を載せたくない | 2 |
| 作る側:「方針」と「取扱い」の違いが分からない | 2 |
| 作る側:作ったポリシーのページがリンク切れで開かない | 1 |
| 使う側:ポリシーがあるかどうかで信用してよいか | 2 |
作る側の相談が24件で、ほとんどを占めました。相談しているのは、ヨガの講師、お花の教室、塾、不動産業、イラストレーター、個人事業でネット販売を始める人などです。商品を売っていなくても、お問い合わせフォームを付けた時点で迷い始めている人が多く見られました。
「よそのサイトの文章を持ってきて、自社風に直して」と頼まれた制作者の相談もありました。ポリシーの中身は、その事業者が何の情報を、何のために預かるかで変わります。文章を写すと、使っていないサービスや、していない取り扱いが書かれたままになります。2026年7月には、ホームページ作成サービスで作ったポリシーのページが、公開後にリンクを押すとエラーになるという相談もありました。
使う側では、「ポリシーの表記が無いサイトは信用できるか」で職場の意見が割れたという相談がありました。ポリシーがあるだけで安全とは言えませんが、何も書かれていないと、送る側は判断の材料がありません。
自分のサイトで確かめる手順
次の順番で確かめてみてください。
- スマホでトップページを開き、ポリシーへのリンクを探す
フッターまでスクロールして見つかるかを見ます。メニューの中にあるかも確かめます。
- リンクを押して、ページが開くか確かめる
作り直しやツールの変更のあとに、リンク切れになっていることがあります。
- ポリシーに、いま使っている取り扱いが書かれているか見る
フォームで受け取る項目、LINEやネット予約の外部サービス、アクセス解析など、実際に使っているものと合っているかを見ます。
- お問い合わせ・予約のフォームから、ポリシーへのリンクがあるか見る
フォームを送る直前に目に入る場所にあると、送る人が確かめられます。
- 問い合わせ先がポリシーの中に書いてあるか見る
本人から開示や削除を頼まれたときの連絡先です。
フォームの入力欄そのものの数は、新潟の司法書士14サイトの問い合わせ入力欄を数えた記事で扱っています。サイトの運営者が誰か分かるかどうかは、「誰がやっているか分からない」と言われる方へ|同業194サイトを数えたで数えました。フォームを置くページが暗号化されているかは、「保護されていない通信」と出る方へで見分け方を書いています。
このサイトのプライバシーポリシーを、同じ物差しで見ると
このサイト(yutaka-web.jp)を同じ項目で調べました。
| 項目 | このサイトの状態 |
|---|---|
| トップページからポリシーへのリンク | あり(フッター。確かめた84ページすべてに同じリンク) |
| リンクの名前 | プライバシーポリシー |
| 書いている項目 | 事業者の表示、取得する個人情報、利用目的、第三者への提供、外部サービスの利用、安全管理、開示・訂正・削除の請求、改定の8項目 |
| 申し込みフォームからポリシーへのリンク | なし |
申し込みはGoogleフォームで受けています。2026年10月4日にフォームを開いて確かめると、入力欄はメールアドレス、サイトのURL、医院・事務所名、気になっていることの4つで、このサイトのポリシーへのリンクと利用目的の一文はありませんでした。フォームの説明には「診断結果をお返しする」と書いているので、Q&A 4-17の「取得の状況から目的が明らかな場合」に近い形です。それでも、送る前に確かめたい人のために、フォームにもポリシーへのリンクを置くほうがよいと考えています。
住所は「新潟県(自宅兼事務所のため詳細は非公開・ご契約時に開示します)」と書いています。法第32条は、本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合も「本人の知り得る状態」に含めています。知恵袋で自宅住所の公開に悩んでいた2件と同じ立場なので、この書き方にしました。
よくいただく質問
お問い合わせフォームが無いサイトにも、プライバシーポリシーは要りますか
フォームが無くても、メールや電話で名前と連絡先を受け取る場面はあります。義務かどうかはこの記事では判断しませんが、委員会のQ&A(1-59)には、ホームページで公表することも可能で、分かりやすい場所への掲載が求められると書かれています。
よそのサイトのプライバシーポリシーをまねて作ってもいいですか
知恵袋にも、ひな形をまねていいかという相談が6件ありました。文章を参考にすること自体より、自分の事業で実際に預かる情報と、使っている外部サービスが書かれているかのほうが大事です。予約システムやLINE公式アカウントを使っているなら、その名前を書いておくと読む人に伝わります。
「個人情報保護方針」と「プライバシーポリシー」は別のものですか
今回読んだ委員会のガイドラインとQ&Aには、文書の名前の決まりは書かれていませんでした。今回の96サイトでは「プライバシーポリシー」が61、「個人情報保護方針」が26でした。両方を別のページで載せている会社もあります。大事なのは名前より、トップページから迷わずたどり着けるかどうかです。
自宅で開業しているので、住所を載せたくありません
法第32条は、事業者の名前と住所などを「本人の知り得る状態」に置くことを求めていますが、本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合も含むと書かれています。このサイトも、県より細かい住所は問い合わせや契約のときにお伝えする形にしています。自分の場合にどう書くべきか迷う場合は、個人情報保護委員会の相談窓口に確かめるのが確実です。
自分のサイトのポリシーの置き場所や中身を、見てもらえますか
URLをお送りいただければ、トップページとフォームからポリシーへのリンクがあるか、リンク切れが無いか、いま使っているサービスと中身が合っているかを見てお返しします。無料のサイト診断からお申し込みください。
まとめ|同業191サイトの半分は、トップページからポリシーへ行けなかった
2026年9月26日に保存した新潟の同業191サイトのトップページを数えると、プライバシーポリシーへのリンクがあったのは96サイトでした。接骨院は43院中16院で、4業種の中で最も少なくなっています。リンクがあった96サイトのうち65は、ページの最後のフッターに置いていました。
個人情報保護委員会のガイドラインは、トップページから1回程度の操作で届く場所への掲載を「公表」の例に挙げています。知恵袋の26件では、24件が作る側の「必要か」「何を書けばいいか」という迷いでした。
自分のサイトのポリシーを確かめたい方は、無料のサイト診断で、この記事と同じ項目を見てお返しします。制作や修正の範囲と料金は、サービスと料金に載せています。
