自分のホームページを開いたら、住所の左に「保護されていない通信」と出ていた。患者さんや取引先から「このサイト、警告が出ますよ」と言われて初めて気づいた。直したほうがいいのは分かるものの、何が原因で、どこを触ればいいのかが分からない。
Yahoo!知恵袋にも、同じところでつまずいた相談が残っています。2025年、自作したサイトを見た友人から「保護されていない通信と出ている」と指摘され、何を直せばいいのか聞いている方がいました。2023年には、サーバーでSSLを申し込んだあとも鍵マークに「完全に安全ではない」と出たため問い合わせたところ、サーバー会社から「その先はご自身で」と返ってきた、という相談が出ています。2024年には、httpsにするのにどれくらいの時間と費用がかかるのかを聞いている相談もありました。
僕は新潟で医療機関・接骨院・士業のホームページを作っています。同じ質問を受ける機会が増えたので、答える前に、近くの同業がどうなっているかを数えました。
2026年9月19日、新潟の接骨院・社労士・訪問看護・訪問介護の名簿からサイト209件を開き、http と https の両方で接続しました。開けた204サイトのうち、鍵マークが出なくなる原因を持っていたのは55サイト(27%)です。いちばん多かったのは、証明書はあるのに http のまま置かれている状態でした。
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<!-- def --> 混在コンテンツとは、https で配信しているページの中に、http のまま読み込んでいる画像やプログラムが混ざっている状態のことです。証明書が正しく入っていても、この状態だとブラウザは鍵マークを外します。
何を、どうやって数えたか
測定日は2026年9月19日です。数えたものは2つあります。
1つ目は同業のサイトです。手元にある4つの名簿(新潟市の接骨院115院、社労士137事務所、訪問看護102事業所、訪問介護170事業所の実測記録)から、サイトのURLが分かっている293件を取り出し、同じドメインを1件にまとめて209件にしました。その209件へ、次の3つを機械で確かめています。
- https で接続し、証明書が有効か、いつ切れるか、誰が発行したものかを読む
- http:// で入ったときに https へ転送されるか(転送は最大6回まで追う)
- https のトップページのHTMLに、http で読み込む画像やプログラムが混ざっていないか
他社のHTMLは、<meta charset> を読んで文字コードを判定してから中身を取り出しました。ここを見ないで数えると、Shift_JISで書かれたページが化けたまま「該当なし」に数えられます。
開けたのは209件のうち204件です。開けなかった5件は、ドメインの名前が引けなかったものが4件、応答が返ってこなかったものが1件でした。
2つ目はYahoo!知恵袋です。「保護されていない通信」「SSL 証明書 期限切れ」「ホームページ 鍵マーク 出ない」など20語で検索し、一覧を延べ1,683件ぶん読みました。重複を除くと1,595件です。
個別の質問ページは、今回1件も開けていません。Yahoo側がHTTP 500を返す状態で、コマンドからの取得でも同じでした。読んだのは、検索結果の一覧に出るタイトル・抜粋・質問日・回答数・閲覧数・カテゴリまでです。
1,595件から、話題が証明書や警告に当たるものを機械で438件に絞り、そのうち質問者がサイトを持っている側だと読み取れる228件を、1件ずつ読んで振り分けました。質問文はそのまま引用せず短く言い換え、質問者が特定できる書き方はしていません。
204サイトのうち、55サイトに原因があった
原因は3つに分かれました。1つのサイトが2つ以上を抱えている場合があるので、件数の合計は55を超えます。
| 原因 | 件数 | 分母 |
|---|---|---|
| http で入っても https へ転送していない | 36 | 開けた204サイト |
| 混在コンテンツがある | 24 | 中身を読めた186サイト |
| 証明書で止まる(有効だと確認できない) | 15 | 開けた204サイト |
重なり方まで分けると、こうなります。
| 抱えている原因 | 件数 |
|---|---|
| 転送だけ | 18 |
| 混在だけ | 18 |
| 証明書と転送 | 12 |
| 転送と混在 | 4 |
| 3つとも | 2 |
| 証明書だけ | 1 |
業種で分けると、接骨院がいちばん多くなりました。
| 業種 | 開けた件数 | 原因を持つ件数 |
|---|---|---|
| 接骨院 | 45 | 17 |
| 社労士 | 46 | 11 |
| 訪問看護 | 56 | 15 |
| 訪問介護 | 57 | 12 |
うちのサイトは、どの原因に当たるのか?
3つの原因は、画面に出る形が違います。ブラウザで次の順に見ると、どれに当たるかが分かります。
住所の頭を http:// に打ち替えて開く。それで開いたまま https:// に切り替わらないなら、転送が入っていません。この状態だと、検索結果や名刺の古いURLから来た人には警告が出ます。
鍵マーク(または警告の文字)をクリックして、証明書の欄を見る。「この証明書は無効です」「期限が切れています」と出るなら、証明書側の問題です。有効期限と、証明書がどのホスト名に対して出ているかが、その画面で読めます。
警告が出るページと出ないページを見比べる。トップページだけ、あるいは1ページだけ警告が出るなら、混在コンテンツを疑う場面です。そのページに古い画像やプログラムが残っています。
自分で見る手順の話は、ホームページの効果が分からないときに見る場所でも書いています。あちらは数える仕組みの話で、こちらは警告の話です。
いちばん多いのは、証明書はあるのに http のまま置かれている状態
転送が入っていなかった36サイトのうち、20サイトは https で開くと普通に表示され、証明書も有効でした。つまり証明書は入っているのに、http で来た人をそちらへ送っていません。
この形のやっかいなところは、作った人には気づけない点です。管理画面のブックマークは https で登録されているので、自分で開くかぎり鍵マークが付いています。警告を見るのは、検索結果や古い印刷物から http のURLで来た人だけです。
直し方はサーバーの設定1か所で、多くのレンタルサーバーには転送を入れる項目が用意されています。20サイトは、証明書を買い直す話にはなりません。
混在コンテンツは、たいてい1行だけ
混在コンテンツがあった24サイトのうち、17サイトは該当が1か所だけでした。5か所以上あったのは5サイトです。
中身を見ると、10サイトが同じ1行を持っていました。html5shiv という古い部品を、googlecode.com という置き場から http で読み込む記述です。そのURLを2026年9月19日に取得したところ、404が返りました。置き場ごと無くなっているので、部品は読み込めません。読み込めないものを読みにいって、その1行のせいで鍵マークが外れている状態です。
同じ記述が10サイトに入っているのは、書いた人が同じか、元にしたテンプレートが同じだからです。院や事務所の落ち度ではありません。
混ざっていたものの種類を、1サイトにつき先頭5か所まで見て数えました。重なりを含む数字です。http で読み込む画像が10サイト、いま書いた html5shiv が10サイト、地図やSNSの古い埋め込みが3サイト、書体や部品の読み込みが2サイト、アクセス解析の記述が2サイトでした。
証明書の期限は、誰が更新するかで分かれる
証明書を読めた200サイトで、期限までの残り日数を数えました。中央値は64日です。
| 残り日数 | 件数 |
|---|---|
| すでに切れている | 3 |
| 30日以内 | 13 |
| 31〜90日 | 163 |
| 91日以上 | 21 |
発行元でいちばん多いのは Let's Encrypt の140件でした。無料で、期限が90日と短く、サーバー側が自動で更新する仕組みとセットで使われます。残り日数が60日前後に集まっているので、その自動更新が動いていると読めます。
問題は切れていた3件のほうです。期限の日付は2025年9月、2025年11月、そして2016年2月でした。10年以上そのままのサイトが1件ありました。自動更新が止まったか、更新の担当が決まらないまま時間が過ぎた形です。
証明書で止まった15サイトの内訳です。証明書がそのホスト名に対して出ていないもの(www の有無の食い違いなど)が9件、暗号の取り決めの段階で接続を断られたものが3件、自分で署名した証明書が2件、接続が時間切れになったものが1件です。断られた3件は、Pythonと curl の2つの道具で同じ結果でした。
知恵袋の228件は、どこで止まっているのか
読んだ228件を、質問の中身で6つに分けました。
| 止まっている場所 | 件数 |
|---|---|
| 設定の手順そのもの(サーバーやドメインの画面でエラーが出る) | 158 |
| 費用と、頼む先 | 22 |
| 期限切れと更新 | 18 |
| 設定したのに警告が消えない | 13 |
| そもそも要るのか | 12 |
| 見ている側からの不安 | 5 |
7割が設定の手順で止まっています。証明書そのものの値段や種類で悩んでいる人は、思っていたより少数でした。多いのは、サーバーの管理画面でSSLを申し込んだあと、「DNS参照先サーバーが当サーバーではありません」のようなエラーが出て進めなくなる形です。
業者との関係でつまずいた相談も出てきます。2018年には、数年前にサイトを作ってもらった業者へSSLの相談をしようとしたところ、その業者がいなくなっていた、という質問がありました。2024年には、制作会社に依頼したのに説明のないまま http のサイトが納品された、という相談も出ています。
僕のサイトも同じ方法で測った
同じ判定を自分のサイトにもかけました。yutaka-web.jp は Let's Encrypt の証明書で、測定日の時点で残り41日です。http で入ると https へ301で転送され、トップページに混在コンテンツは0か所でした。
HTTPS以外での接続を拒む設定(HSTS)は入れていません。204サイトのうちこれを入れていたのは25サイトで、僕のサイトは入れていない側の179サイトと同じ状態です。ここはまだ手をつけていません。
直す順番
原因が分かれば、直す順番は決まります。費用も手間も、この順に軽くなります。
| 症状 | やること | 頼む先 |
|---|---|---|
| https では開くが、http のまま留まる | サーバーの管理画面で転送を有効にする | サーバー会社のマニュアル、または制作者 |
| 1ページだけ警告が出る | そのページの http の読み込みを探して直す | 更新を担当している人 |
| 証明書が切れている | 証明書を発行し直し、自動更新を確認する | サーバー会社 |
| 証明書がホスト名と合っていない | www ありとなしの両方で証明書を出す | サーバー会社 |
| 暗号の取り決めで断られる | サーバーの設定か、サーバーそのものの世代を確認する | サーバー会社、または制作者 |
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よくいただく質問
「保護されていない通信」と出ていると、検索順位に影響しますか
Googleは2014年8月の公式ブログで、https を検索順位の要素の1つとして使うと公表しています。ただし順位は多くの要素で決まるので、直したから上がる、直さないから落ちる、という単純な話にはなりません。実害として大きいのは、警告を見た人がその場で引き返す点です。
証明書にはお金がかかりますか
204サイトで確認できた証明書のうち140件は Let's Encrypt でした。多くのレンタルサーバーが、無料の証明書を管理画面から申し込める形で用意しています。有料の証明書は、企業の実在を確認する種類のものです。
SSLを設定したのに鍵マークが出ません
設定したあとに残る原因は2つあります。http から https への転送が入っていない場合と、混在コンテンツが残っている場合です。知恵袋でも、この状態の相談が13件ありました。どちらかは、上に書いた見分け方で切り分けられます。
サイトを作った会社と連絡が取れません
サーバーの契約が自分の名義なら、管理画面から証明書と転送の設定に入れます。名義が制作会社のままだと、その画面にも入れません。まず確認するのは、サーバーとドメインの契約が誰の名前になっているかです。同じ引き継ぎの問題はホームページを自分で更新できるかを数えた記事でも出てきました。
直すのにどれくらい時間がかかりますか
転送だけの話であれば、管理画面の操作で済みます。混在コンテンツは、該当の記述を探す時間しだいです。今回の24サイトのうち17サイトは1か所だけだったので、場所さえ分かれば長くはかかりません。証明書の入れ直しは、発行を待つ時間が入ります。
まとめ|「保護されていない通信」と出たときに見る順番
2026年9月19日、新潟の接骨院・社労士・訪問看護・訪問介護のサイト209件へ http と https の両方で接続し、開けた204サイトを調べました。鍵マークが出なくなる原因を持っていたのは55サイト(27%)です。内訳は、転送が入っていないものが36サイト、混在コンテンツがあるものが24サイト、証明書で止まるものが15サイトでした。
そのうち20サイトは、証明書が有効で https でも普通に開ける状態でした。転送の設定1か所で済む話です。混在コンテンツも、24サイト中17サイトは該当が1か所だけでした。
Yahoo!知恵袋の相談228件では、158件が設定の手順そのもので止まっていました。値段の話で迷っている人より、管理画面の前で手が止まる人のほうがはるかに多いのが実際でした。
新潟で医療機関・接骨院・士業のホームページを作っています。警告の原因の判定は無料のサイト診断で受け付けていますので、URLをお送りください。制作と記事の運用についてはサービスのご案内に料金を載せています。
