毎月の費用は出ていく。サイトは公開されている。それでも問い合わせが増えた実感はなく、「効果はどうですか」と聞かれても答えようがない。
同じ行き詰まり方が、Yahoo!知恵袋にも残っています。2025年、15年のあいだに3回作り替えてきた方が、そのたびにリース契約を結び直し、支払った額に見合っているとは思えないと書いていました。2023年には、フォームには月50件ほど届くのに客からの問い合わせは月1件で、アクセスが0の日も多い、という相談が出ています。2017年には、制作会社を費用対効果で選べと助言されたものの、何をどう判断すればいいのか分からない、という質問もありました。
僕は新潟で医療機関・接骨院・士業のホームページを作っています。効果を聞かれて答えに詰まる場面が続いたので、答える前に数えました。
2026年9月17日、新潟の接骨院・社労士・訪問看護・訪問介護の名簿からサイト209件を開き、アクセスを数える仕組みが入っているかを判定しました。開けた194サイトのうち、いま数えられる状態だったのは105サイト(54%)です。57サイト(29%)には計測タグが1つも入っていませんでした。さらに31サイトには、2023年7月1日に計測が止まった古い仕組みの記述だけが残っていました。
自分のサイトがどれに当たるか分からない方は、無料のサイト診断にURLを送ってください。この記事と同じやり方で判定して、数えられているかどうかをお返しします。
<!-- def --> 計測タグとは、ホームページのHTMLに埋め込む短いプログラムで、どのページが何回見られたかをGoogleなどの集計サービスへ送る役目を持つもののことです。これが入っていないサイトは、何人が見たのかを後から調べる方法がありません。「アクセスが少ない」とも「多い」とも言えない状態になります。
何を、どうやって数えたか
測定日は2026年9月17日です。数えたものは2つあります。
1つ目は同業のサイトです。手元にある4つの名簿(新潟市の接骨院115院、社労士137事務所、訪問看護102事業所、訪問介護170事業所の実測記録)から、サイトのURLが分かっている293件を取り出し、同じドメインを1件にまとめて209件にしました。各サイトのトップページを開き、HTMLの中に計測タグの記述があるかを機械で判定しています。
他社のHTMLは、<meta charset> を読んで文字コードを判定してから中身を取り出しました。ここを見ないで数えると、Shift_JISで書かれたページが化けたまま「該当なし」に数えられます。
開けたのは209件のうち194件です。開けなかった15件の内訳は、サーバーが応答しなかったものが6件、アクセスを断られたものが5件、ページが無くなっていたものが4件でした。
2つ目はYahoo!知恵袋です。「ホームページ 効果 わからない」「ホームページ 費用対効果」「アクセス解析 見方 わからない」など20語で検索し、一覧を延べ1,366件ぶん読みました。重複を除くと1,340件です。
このうち個別の質問ページは、今回1件も開けていません。Yahoo側がHTTP 500を返す状態で、コマンドからの取得でもWebFetchでも同じ結果でした。そのため読んだのは、検索結果の一覧に出るタイトル・抜粋・質問日・回答数・閲覧数・カテゴリまでです。昨日までの記事のように本文と回答まで追えてはいません。
1,340件から、カテゴリがホームページ作成・インターネットサービス・企業と経営などで、かつ本文に測ることと効果の話が出てくるものを機械で162件に絞りました。その162件は、1件ずつ自分で読んで振り分けています。質問文はそのまま引用せず短く言い換え、質問者が特定できる書き方はしていません。
同業194サイトは、いま数えられているのか
判定の結果です。1サイトを必ずどれか1つに数えているので、合計は194件になります。
| 状態 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| いま数えられる(現行の仕組みが入っている) | 105 | 54% |
| 古い仕組みの記述だけが残っている | 31 | 16% |
| Google以外の計測ツールだけが入っている | 1 | 1% |
| 計測タグが1つも見つからない | 57 | 29% |
業種で分けると、差が出ました。
| 業種 | 開けた件数 | 数えられる | 古い記述だけ | タグ無し |
|---|---|---|---|---|
| 接骨院 | 43 | 26 | 5 | 12 |
| 社労士 | 43 | 18 | 6 | 19 |
| 訪問看護 | 54 | 34 | 9 | 10 |
| 訪問介護 | 54 | 27 | 11 | 16 |
いちばん低かったのは社労士で、43サイトのうち数えられる状態は18でした。19サイトは計測タグが見つかりません。いちばん高かったのは訪問看護で、54サイトのうち34です。
現行の仕組みが入っていた105サイトの中身も分かれます。集計用のIDがHTMLに直接書かれていたのが47サイト、タグを管理する別の仕組みを経由していて外からはIDが見えないものが58サイトでした。後者は中身まで確認できないので、「数えている可能性がある」として現役に数えています。実際に数字が溜まっているかどうかは、管理画面に入らないと分かりません。
2023年7月1日に止まった仕組みが、31サイトに残っている
31サイトに残っていたのは、ユニバーサルアナリティクスと呼ばれる古い仕組みの記述です。Googleの公式ヘルプ「ユニバーサル アナリティクスは Google アナリティクス 4 に置き換わりました」には、2023年7月1日以降、標準のプロパティではヒットの処理が停止されたと書かれています(360の契約が続いていた一部は2024年7月1日まで延長)。
つまりこの31サイトは、タグの文字列はページに残っているのに、送った先で数えるのをやめている状態です。ソースを見れば「解析を入れてある」ように見えます。管理画面を開いても、2023年7月より前のデータは残っています。入れた記憶があるので、入っていると思い続けてしまう。ここが厄介なところです。
古い記述が残っているサイトは、現行の仕組みと併存しているものを含めると44サイトありました。うち13サイトは現行のタグも入っているので、実害はありません。残る31サイトが、止まったまま気づかれていない可能性のあるサイトです。
知恵袋にも同じ状況の書き込みがありました。2022年、勤務先のサイトに古い仕組みを入れて使っていた方が、2023年7月で処理が止まると知って移行を進めたものの、手順の途中でつまずき、仕事が立て込んでそのまま放置していると書いていました。
知恵袋の相談80件は、どこで詰まっていたか
162件のうち、相談者が事業者側(経営者・社内の担当者)で、話題が自社サイトを測ることだったのは80件でした。この80件がここでの分母です。残り82件の内訳は、検索結果に載せるための手続きの話が37件、個人や趣味のサイトが15件、見た側がバレないかという心配が8件、広告媒体やタグの書き方など題材違いが22件です。
80件を振り分けると、こうなりました。
| 詰まっている場所 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 効果があるのか分からない | 24 | 30% |
| 数える道具の設定でつまずいている | 32 | 40% |
| 数字は出ているが、読み方が分からない | 23 | 29% |
| 解析のアカウントを制作側に握られている | 1 | 1% |
いちばん多いのは、道具の設定でつまずいている32件でした。タグを入れたのに数字が0のまま、問い合わせ完了が1件として数えられない、古い仕組みからの移行が途中で止まっている。測ろうとした人が、測り始める前で止まっています。
次に多い「効果があるのか分からない」24件は、そもそも数える仕組みの話が出てきません。リース契約の金額と、増えた実感の無さだけが書かれています。何人が見たかを知らないまま、効果があるかないかを判断しようとしている状態です。
3番目の「読み方が分からない」23件は、数字は出ています。訪問者数と訪問数とページビューの違いが分からない、平均ページビューはどのくらいなら高いのか、検索からの流入が社名の指名検索ばかりで意味があるのか。数字を見ても行動に変えられていません。
件数が1件と少ないので分布としては弱いのですが、内容として重かったのは最後の1件でした。2022年、制作会社が倒産して連絡が取れなくなり、解析のアカウントを握られたまま引き継げなくなった、という相談です。同じ引き継ぎの問題はホームページを自分で更新できるかを数えた記事でも20件出ていました。
相談の年を見ると、80件のうち2020年以降は38件でした。古い相談だけを集めたわけではありません。
自分のサイトを確かめる3か所
ここまでの結果から、順番に見る場所を3つに絞りました。ブラウザだけでできます。
1か所目。計測タグが入っているか。 サイトを開いて右クリックし、「ページのソースを表示」を選びます。表示されたテキストの中で Ctrl(Macは command)と F を押し、G- と入力して検索します。見つからなければ GTM- と UA- でも探します。3つとも見つからなければ、そのページは計測タグが入っていません。194サイト中57サイトがこの状態でした。
2か所目。それが現役のタグか。 UA- だけが見つかった場合は、2023年7月1日から数えるのが止まっています。ソースには残っていても、新しい数字は増えません。31サイトがこの状態でした。G- か GTM- が見つかれば現役の形です。
3か所目。その数字を自分が見られるか。 タグが入っていても、集計画面に入るアカウントを持っていなければ、数字は他人のものです。制作を頼んだ会社が自社のアカウントで作っていると、契約が切れたときや連絡が取れなくなったときに、それまでの記録ごと見られなくなります。いま自分のGoogleアカウントでログインして数字が出るかどうかを、一度試してください。出ないなら、閲覧権限をもらう依頼を出す場面です。
トップページだけ確認して安心しないほうがいいところもあります。ページごとにタグの入れ忘れが起きるので、料金ページや問い合わせページでも同じ手順を繰り返すと確実です。
僕のサイトにも入っていませんでした
この記事を書く前に、自分のサイトを同じ方法で調べました。yutaka-web.jp には計測タグが1つも入っていません。G-、GTM-、UA- のどれも見つからず、他社の計測ツールもありません。2026年9月17日に公開中のHTMLを取得して確認しています。
57サイトを数えておいて、自分がその57サイトと同じ状態でした。書いている途中で気づいたので、そのまま書いています。記事を出す順番とサイトの手当てを並行して進めていて、計測を後回しにしてきた結果です。
この記事で伝えたいのは、入れていないこと自体が珍しくないという1点です。医療機関も士業も介護事業所も、本業の合間にサイトの中身まで見る時間はありません。入っていない状態は、気づいた日に直せば済みます。
よくいただく質問
計測タグを入れると、費用はかかりますか
Googleアナリティクスは無料で使えます。かかるのは、タグをページに埋め込む作業の手間だけです。WordPressで作られているサイトなら、管理画面から設定できる場合もあります。
制作会社に頼まないと入れられませんか
サイトの編集画面に入れるなら、自分で入れられることもあります。ただし全ページに同じタグを入れる必要があるので、ページ数が多い場合や、HTMLのファイルを直接触る作りの場合は、頼んだほうが早く済みます。判断が付かない場合は無料のサイト診断にURLをお送りください。
古いUAのタグは消したほうがいいですか
そのままにしておいても、表示や検索には影響しません。ただし残っていると「解析は入れてある」と読めてしまうので、現行のタグを入れたあとに消しておくと、次に見た人が迷いません。
アクセス数が少ないと分かったら、何をすればいいですか
数が少ない理由は、検索結果に載っていないのか、載っていても選ばれていないのかで対処が変わります。前者は掲載状況の確認から、後者はページの中身の見直しからになります。関連する記事としてホームページの原稿が書けないときに要る文字数を数えた記事もあわせてご覧ください。
数字を見ても読み方が分かりません
知恵袋でも23件が同じ場所で止まっていました。最初に見る数字は2つで足ります。1か月に何人が来たかと、いちばん見られているページはどれか。この2つが分かれば、直す場所の見当が付きます。
まとめ|ホームページの効果が分からないときに見る場所
2026年9月17日、新潟の接骨院・社労士・訪問看護・訪問介護のサイト209件を開き、194件でアクセスを数える仕組みを調べました。いま数えられる状態は105サイト(54%)、計測タグが1つも無いのが57サイト(29%)、2023年7月1日に止まった古い記述だけが残っているのが31サイトです。
Yahoo!知恵袋の相談80件では、いちばん多かったのが道具の設定でつまずいている32件、次が効果があるのか分からない24件、3番目が数字を読めない23件でした。
効果が分からない状態には、測っていないから分からない場合と、測っているのに読めない場合があります。最初に確かめるのは前者かどうかです。ソースを開いて G- GTM- UA- の3つを探すところまでは、本業の合間の数分でできます。
新潟で医療機関・接骨院・士業のホームページを作っています。数える仕組みが入っているかどうかの判定は無料のサイト診断で受け付けていますので、URLをお送りください。制作と記事の運用についてはサービスのご案内に料金を載せています。
