「ホームページを見たけど、どんな先生がやっているのか分からなくて」。初めて来た方にそう言われて、どきっとしたことはないでしょうか。施術や対応の腕には自信がある。それでも、来る前の人にはその腕が見えていません。
Yahoo!知恵袋には、来る前の側の相談が残っています。親知らずを抜く予定の歯科医院のホームページに院長の名前も経歴もなく、ほかの候補の医院には経歴と顔写真が載っていたので不安になった、という質問がありました。小さなクリニックなのに医師の名前がどこにも出てこないのは何か理由があるのか、という質問は600回以上読まれています。
一方で、写真を載せる側にも事情があります。スタッフが顔写真の掲載を嫌がっていて困っている、という院長の相談もありました。
僕は新潟で医療機関・接骨院・士業のホームページを作っています。この「人をどこまで出すか」は打ち合わせで必ず迷うところなので、近くの同業がどう載せているかを先に数えました。
2026年9月25日、新潟の接骨院・社労士・訪問看護・訪問介護の名簿からサイト209件を開きました。開けた194サイトのうち、代表者の名前・資格・人物の写真・あいさつ文の4つがそろっていたのは22サイト(11%)です。4つとも見当たらず、スタッフ紹介の見出しもなかったのは32サイト(16%)でした。
自分のサイトで「誰か」がどこまで伝わっているか分からない方は、無料のサイト診断にURLをお送りください。この記事と同じ4項目で確かめてお返しします。
なお、院内の写真の枚数は写真が用意できない方へで別に数えています。あちらは「場所」の写真、この記事は「人」の情報です。写真の枚数の表はここでは繰り返しません。
<!-- def --> スタッフ紹介ページとは、施術や対応をする人の名前・資格・写真・ひとことをまとめて、来る前の人が「誰に会うのか」を確かめられるようにしたページのことです。この記事では、トップページのあいさつ欄や「院長紹介」「代表プロフィール」も同じものとして扱います。
何を、どうやって数えたか
測定日は2026年9月25日です。数えたものは2つあります。
1つ目は同業のサイトです。手元にある4つの名簿(新潟市の接骨院115院、社労士137事務所、訪問看護102事業所、訪問介護170事業所の実測記録)から、サイトのURLが分かっている293行を取り出し、同じドメインを1件にまとめて209件にしました。
209件それぞれについて、トップページと、「スタッフ」「院長」「代表」「あいさつ」「概要」「about」などのリンク先を最大4ページまでたどりました。開けたのは194件です。開けなかった15件は、ドメインの名前が引けない・サーバーがエラーを返すなどでした。194件のうち38件は、トップページから該当する下層へのリンクが見つからず、トップだけで判定しています。
他社のHTMLは、<meta charset> を読んで文字コードを判定してから中身を取り出しました。Shift_JISのページをそのまま数えると、文字化けして「記載なし」に数えられてしまうためです。
判定はこうしています。
- 代表者の名前……「院長」「代表」「所長」「管理者」などの直後に人名の形が出てくる
- 資格……代表・スタッフ・経歴などの語の前後60字に、柔道整復師・社会保険労務士・看護師・介護福祉士などの資格名が出てくる
- 人物の写真……画像のファイル名・代替テキストに「院長」「代表」「staff」「profile」などが入っている(ロゴ・バナー・SNSのアイコンは除く)
- あいさつ文……「ごあいさつ」「代表メッセージ」「院長の想い」などの見出しがある
機械の判定には外れが混じるので、無作為に選んで目で確かめました。名前は30件中26件が実際の人名で、4件は人名ではない語を拾っていました。人物の写真は30サイトの1枚目を開いて、22枚に人が写っていました。5枚は文字だけの見出し画像や室内の写真で、3枚は開けませんでした。資格は15件中12件が人の資格の説明で、3件は別の文脈でした。つまり下の表の数字は、実際より少し多めに出ています。
2つ目はYahoo!知恵袋です。「ホームページ スタッフ紹介 必要」「整骨院 先生 どんな人」「ホームページ 顔出し したくない」など20語で検索し、一覧を延べ809件ぶん読みました。重複を除くと777件です。そこから「人」「顔」「担当」に触れていて、業種やホームページの話が出てくる350件に機械で絞り、350件すべての質問ページを開いて本文まで取りました。
そのうち題材に近い134件を題と本文の冒頭まで読み、当てはまる65件を4つに分けています。書き方がそっくりな2025年の7件は、同じ人の連続投稿とみて1件に数えました。質問文はそのまま引用せず短く言い換え、質問者が特定できる書き方はしていません。
194サイトのうち、4つそろっていたのは22サイト
分母はすべて、開けた194サイトです。
| 載っているもの | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 代表者の名前 | 110 | 57% |
| 資格 | 96 | 49% |
| 人物の写真(ファイル名などから判定) | 87 | 45% |
| あいさつ文 | 79 | 41% |
| 4つすべて | 22 | 11% |
| どれもない(紹介の見出しもない) | 32 | 16% |
名前は半分を超えるサイトに出ていますが、あいさつ文まで書いているのは4割ほどです。名前はあるのに人物の写真が見当たらないサイトは46ありました。名前は会社概要の欄に1行で書けますが、写真とあいさつは準備が要るので、ここで差が開いています。
業種ごとに分けると、傾向がはっきり違います。
| 業種 | 開けた数 | 名前 | 資格 | 人物の写真 | あいさつ | どれもない |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 接骨院 | 43 | 26 | 29 | 23 | 14 | 6 |
| 社労士 | 43 | 25 | 35 | 18 | 21 | 2 |
| 訪問看護 | 54 | 32 | 18 | 23 | 25 | 8 |
| 訪問介護 | 54 | 27 | 14 | 23 | 19 | 16 |
社労士は資格を書いている割合が高く、どれもないのは43中2サイトだけでした。士業は資格そのものが看板になる仕事です。
訪問介護は、どれもないサイトが54中16と多くなりました。資格に触れていたのも54中14です。家に来てもらう側からすると、「どんな人が来るのか」をいちばん知りたい業種のはずです。
顔写真を載せないと、信用されないのか?
知恵袋の65件を分けると、こうなりました。
| 立場 | 件数 | 相談の中身 |
|---|---|---|
| 見る側 | 18 | 行く前・頼む前に、誰がやっているかを確かめたい |
| 載せる側(事業者) | 10 | スタッフを載せたいが、どこまで出すか迷っている |
| 載せられる側 | 23 | 顔写真と名前を出したくない |
| 載せられる側 | 14 | 辞めた後も写真が残っている・無断で使われた |
見る側の18件でよく出てくるのは、「写真がない」より「名前も経歴もない」ことへの不安でした。院長の名前がどこにも出てこない小さな医院は何か理由があるのか、という質問。院長の紹介に顔写真も経歴も載せないのはどういう考えなのか、という質問。どちらも、写真より先に名前と経歴を探しています。
反対に、載せられる側の相談は37件あり、見る側の2倍を超えていました。入社したら顔写真とフルネームを載せると言われて困っている、辞めて半年たっても写真と名前が載ったままで、頼んでも外してもらえない、といった内容です。退職者の写真を外すとページの中身が足りなくなるから、と断られたという相談もありました。
つまり、スタッフ全員の顔写真は、見る側が求めているほどには必要とされていません。それでいて、働く側の負担は大きい。「誰がやっているか」を伝えるのに要るのは、まず代表者の名前と資格と経歴です。写真は代表1人で足ります。
ただし、65件の質問日は2007年から2026年までにまたがっていて、2020年以降のものは25件です。古い相談も混じっているので、いま同じ割合で起きているとは言い切れません。
「誰か」が伝わるスタッフ紹介の4項目
実測と相談の中身から、僕は載せる順番をこう決めています。上ほど準備の手間が小さいものです。
- 代表者の名前(ふりがな付き)……会社概要やアクセスの欄に1行で足りる。今回、名前が見当たらなかったサイトは194中84
- 資格と登録番号・経歴……「柔道整復師」「特定社会保険労務士」などを名前の横に書く。経歴は年と出来事を3〜5行で
- あいさつ文……なぜこの仕事をしているか、どんな人に来てほしいかを200〜400字で。トップページに短く、詳しくは紹介ページに
- 代表の写真……代表1人でよい。スタッフは名前と資格と担当だけにして、写真は本人が同意した人だけにする
スタッフの顔写真を載せる場合は、あらかじめ次の3つを決めておくと、知恵袋に出てきたような揉め方を防げます。
- 載せるかどうかは本人が選べる(断っても不利に扱わない)と、文書で伝えておく
- 辞めたら何日以内に外すかを決めておく
- 顔を出したくない人には、後ろ姿・手元・似顔絵・名前だけ、の選択肢を用意する
うちのサイトにも、顔写真はない
同じ判定を自分のサイト(yutaka-web.jp)の制作者紹介のページにもかけました。名前(高橋祐太)と、理学療法士の資格・臨床の年数は判定に通りました。あいさつ文の見出しはありません。「なぜ医療と士業に特化するのか」という見出しで考えを書いていますが、判定の語には当たりませんでした。
人物の写真は、機械の判定では「あり」になりました。ところが実物は、たたんだ白衣と聴診器を並べた机の写真で、人は写っていません。ファイル名に「profile」が入っていたので拾われた、上で書いた外れの1件です。実際にそろっているのは、4項目のうち名前と資格の2つです。
顔を出さないのは、僕自身が決めていることです。その分、名前と資格と、何をどう進めるかを文字で細かく書くようにしています。あいさつ文は、今月中に紹介ページの冒頭へ足します。
営業時間や休みの書き方は「今日やってますか」の電話が多い方へで数えています。「人」の情報とあわせて見直してみてください。
よくいただく質問
スタッフ全員の顔写真を載せないと、ホームページとして弱いですか
弱くはなりません。今回の知恵袋の相談で、見る側が探していたのは主に名前と経歴でした。スタッフ全員の写真より、代表者の名前・資格・経歴・あいさつがそろっているかを先に見てください。194サイトのうち、この4つがそろっていたのは22サイトでした。
代表の顔写真も出したくありません。どうすればいいですか
名前と資格と経歴を文字でしっかり書けば、写真なしでも「誰か」は伝わります。写真の代わりに、手元や仕事場の写真、似顔絵を使う方法もあります。僕のサイトも顔写真は載せず、名前と資格を文字で書いています。
スタッフが辞めたとき、写真はいつまでに外せばいいですか
退職日から1週間以内を目安に、あらかじめ決めておいてください。知恵袋には、辞めた後も写真が残っている、または無断で使われたという相談が14件ありました。外した後も検索結果に古い写真が残ることがあるので、早めに外すほど後が楽です。
資格は、名前の横に書くだけで足りますか
名前の横に資格名を書き、士業なら登録番号も添えてください。あわせて、いつ資格を取り、どこで何年働いてきたかを3〜5行で書くと、初めての方が安心できます。今回、資格に触れていたのは194サイト中96サイトで、社労士は43中35と高い割合でした。
あいさつ文には何を書けばいいですか
なぜこの仕事をしているか、どんな悩みの人に来てほしいか、初めての方に何を約束できるか、の3つです。長さは200〜400字で足ります。今回、あいさつ文があったのは194サイト中79サイトで、トップページにあいさつの見出しがあったのは49サイトでした。
まとめ|ホームページのスタッフ紹介は、名前と経歴から
2026年9月25日、新潟の同業209サイトへ接続し、開けた194サイトを数えました。代表者の名前が出ていたのは110サイト、資格は96サイト、人物の写真は87サイト、あいさつ文は79サイトです。4つすべてがそろっていたのは22サイトで、どれもないのは32サイトでした。
「誰がやっているか分からない」と言われる原因は、顔写真がないことより、名前と経歴が見当たらないことにあります。スタッフ全員の顔写真は必須ではありません。代表者の名前・資格・経歴・あいさつの4つをまずそろえ、写真は代表1人と、同意したスタッフだけで足ります。
いまのサイトで何が伝わっていて何が抜けているかは、無料のサイト診断で同じ4項目を確かめてお返しします。紹介ページごと作り直す場合の料金と範囲はサービスと料金に載せています。
