「今日って、やってますか」。診療や業務の合間に、この電話が何度も入る。ホームページには営業時間を出しているのに、なぜ毎回聞かれるのかが分からない。祝日の前日と、年末が近づくと、件数がはっきり増える。
Yahoo!知恵袋には、その電話をかける前の側の書き込みが残っています。動物病院の休みを調べようとホームページを見たところ、休診日の欄に「年末年始」とだけ書いてあり、何日が休みなのか分からなかった、という相談がありました。近所の定食屋に行きたくて営業時間を調べたものの見つからず、店に電話したという書き込みもあります。スーパーの営業時間を「ホームページに載っていなくて分かりませんでした」と聞いている質問は、17万回以上読まれていました。
僕は新潟で医療機関・接骨院・士業のホームページを作っています。この電話の話は打ち合わせでもよく出るので、近くの同業がどう書いているかを先に数えました。
2026年9月20日、新潟の接骨院・社労士・訪問看護・訪問介護の名簿からサイト209件を開きました。開けた194サイトのうち、営業時間が文字で読めたのは121サイト(62%)です。時間・休み・祝日・年末年始の4つがそろっていたのは23サイトでした。
自分のサイトがどこまで書けているか分からない方は、無料のサイト診断にURLをお送りください。この記事と同じやり方で判定してお返しします。
<!-- def --> 特別営業時間とは、いつもの営業時間とは違う日だけに、別の時間を設定しておく機能のことです。Googleビジネスプロフィールのヘルプでは「一時的な営業時間の変更や、連続して最長 6 日間の休業の場合に設定します」と書かれていて、祝休日・特別イベント・その他の例外的な状況が対象として挙げられています。
何を、どうやって数えたか
測定日は2026年9月20日です。数えたものは2つあります。
1つ目は同業のサイトです。手元にある4つの名簿(新潟市の接骨院115院、社労士137事務所、訪問看護102事業所、訪問介護170事業所の実測記録)から、サイトのURLが分かっている293行を取り出し、同じドメインを1件にまとめて209件にしました。その209件について、トップページと、「アクセス」「診療時間」「概要」などのリンク先を最大4ページまでたどっています。
開けたのは194件です。開けなかった15件は、ドメインの名前が引けないものなどが6件、サーバーがエラーを返したものが9件でした。
他社のHTMLは、<meta charset> を読んで文字コードを判定してから中身を取り出しました。194件のうち9件はShift_JISで書かれていて、ここを見ないで数えると文字化けしたまま「記載なし」に数えられます。
判定はこうしています。
- 営業時間あり……「診療時間」「受付時間」「営業時間」などの見出しがあり、その直後に時刻(9:00、9時など)が文字で出ている
- 休みあり……「休診」「定休」「休業日」のいずれかが出ている
- 祝日……祝日・祝祭日への言及がある
- 年末年始……年末年始・お盆・臨時休業・夏季休業などの語がある
2つ目はYahoo!知恵袋です。「整骨院 営業時間 わからない」「接骨院 今日 やってる」「ホームページ 営業時間 載っていない」など20語で検索し、一覧を延べ1,408件ぶん読みました。重複を除くと1,395件です。
そのうち481件は、個別の質問ページをすべて開いて本文と回答まで読みました。481件とも読めています(9月中旬まではYahoo側がエラーを返して開けませんでしたが、今回は全件開きました)。読んだ481件から、この記事の題材に当たる104件を手で選び分けています。質問文はそのまま引用せず短く言い換え、質問者が特定できる書き方はしていません。
194サイトのうち、時間が読めたのは121サイトだった
まず、4項目それぞれの件数です。分母はすべて、開けた194サイトです。
| 書いてあるもの | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 営業時間(見出し+時刻) | 121 | 62% |
| 休み(休診日・定休日) | 94 | 48% |
| 祝日への言及 | 80 | 41% |
| 年末年始・臨時休業など | 43 | 22% |
| 4つすべて | 23 | 12% |
時間が読めた121サイトのうち、トップページだけで時間が分かるのは96サイトでした。残る25サイトは、下層ページまで進まないと時刻が出てきません。
そして、時間を書いている121サイトの中でも、祝日に触れていないものが47サイト、年末年始に触れていないものが87サイトあります。つまり「時間は書いたけれど、例外の日は書いていない」という状態が、いちばん多い形です。
業種で分けると差が出ました。
| 業種 | 開けた件数 | 時間あり | 休みあり | 祝日 | 年末年始 |
|---|---|---|---|---|---|
| 接骨院 | 43 | 36 | 38 | 34 | 12 |
| 社労士 | 43 | 23 | 23 | 11 | 6 |
| 訪問看護 | 54 | 39 | 28 | 25 | 17 |
| 訪問介護 | 54 | 23 | 5 | 10 | 8 |
接骨院は時間と祝日をよく書いています。43院中36院に時間があり、34院が祝日に触れていました。それでも年末年始まで書いているのは12院です。4つそろっていたのは9院でした。
書いてあるのに、なぜ「今日」が分からないのか?
時間を書いてあるサイトでも、読む側が知りたい「今日」に届かないことがあります。今回の194サイトで、実際に3つの形を見つけました。
1つ目は、時間割が画像になっている形です。「診療時間」という見出しはあるのに、その下の表がgif画像で、文字としては1文字も入っていませんでした。人の目には読めますが、検索エンジンにも、スマートフォンの読み上げにも、AIの回答にも拾われません。alt属性に入っていたのは「診療時間」の4文字だけでした。同じ状態のサイトが、194件中3件ありました。
2つ目は、時間が別ページに置かれている形です。トップページの下に「※受付時間は診療時間ページをご覧ください」とだけ書かれていて、時間そのものはトップにない。今回、時間が読めた121サイトのうち25サイトがこの形でした。
3つ目は、お知らせが更新されていない形です。年末年始や臨時休業に触れていた43サイトのうち、何年のことかが読み取れたのは15サイトだけでした。その15サイトの最新の告知は、2026年が8件、2025年が5件、2024年が1件、2020年が1件です。残る28サイトは年そのものが書かれていないため、その告知が今年のものか去年のものか、読む側には判断できません。
お知らせ欄に「2024年お盆期間中の休業について」が最新として並んでいるサイトは、見た人に「ここ、今も動いているのかな」という別の不安を与えます。
「今日やってますか」の電話を減らす4項目
書き足すものは4つです。順番も、このとおりにしてください。
1. 時刻を文字で、トップページに置く。画像の時間割を使っているなら、同じ内容を文字でも書き添えます。午前・午後で分かれるなら、その区切りも入れてください。
2. 休みの曜日を、時間の真下に書く。「休診日:日曜・祝日」のように、時間と同じかたまりの中に置きます。別ページに分けると、そこまで進まない人には届きません。
3. 祝日の扱いを1行足す。「祝日は通常どおり」でも「祝日は休診」でも、書いてあれば電話は減ります。今回の実測では、時間を書いている121サイトのうち47サイトがここを空けたままでした。
4. 年末年始・お盆は、年と日付を入れて書く。「年末年始」とだけ書いた欄は、読む側からは何日か分かりません。「2026年12月30日〜2027年1月3日は休診」のように、年から書きます。書いた年が入っていれば、来年見た人が古い告知だと気づけます。
あわせて、車で来る方が多い業種なら駐車場も見ておいてください。接骨院43院のうち駐車場に触れていたのは28院、台数まで書いていたのは20院でした。知恵袋でも「駐車場はあるけど台数が少ないと通いづらい」と書いている方がいます。
Googleビジネスプロフィール側の設定も、ホームページとは別に要ります。ヘルプには、公的な祝休日については通常の営業時間と変わらなくても祝休日の営業時間を設定することをすすめる、と書かれています。ホームページを直しただけでは、地図の表示は変わりません。
知恵袋の104件は、どこで止まっていたか
読んだ481件のうち、この記事の題材に当たる104件を5つに分けました。
| 止まっていた場所 | 件数 |
|---|---|
| サイトを見たのに、いつ開いているか分からない | 34 |
| 休みの日・時間外に開いている所を探していた | 42 |
| ネットに出ている時間と、実際が食い違っていた | 11 |
| 駐車場があるか・停められるかを知りたかった | 11 |
| 事業者の側が、時間の見せ方で困っていた | 6 |
いちばん多い42件は、「祝日にやっている整骨院を知りませんか」「日曜も開いている接骨院はありますか」という探し方でした。祝日や日曜に開いていることを書いていない院は、この検索に出てきません。開いているのに、探している人に届いていない状態です。
34件のほうは、もっと直接的です。「ホームページを見たけれど営業時間が載っていない」という書き方で、スーパー、自動車ディーラー、美容室、保健所、フェリー、役場、写真館と、28種類のカテゴリにまたがっていました。どの業種でも同じように起きていて、原因はページの作り方のほうにあります。
事業者側の6件は、Googleマップに出ている自分の店の営業時間が違っていて直したい、という相談でした。自分で登録した覚えがないのに定休日と閉店時間が勝手に入っていた、という相談が2件あります。
ただし、104件の質問日は2005年から2026年までにまたがっていて、2020年以降のものは21件です。古い相談が多いので、いま同じ割合で起きているとは言い切れません。ここは正直に書いておきます。
うちのサイトも、4つはそろっていない
同じ判定を自分のサイト(yutaka-web.jp)にもかけました。トップページと問い合わせページに「営業時間 9:00〜20:00」があり、時刻は文字で入っています。一方で、定休日も年末年始の案内も書いていません。4項目のうち書けているのは1つです。
人が訪ねてくる場所ではないので影響は小さいものの、測って人に伝える以上、自分のサイトの状態も書いておきます。年末までに残りの3項目を足します。
サイトの更新が止まりがちな理由と、更新を誰が持つかについてはホームページを自分で更新したい方へにまとめました。電話そのものを減らしたい場合は、ネット予約の入れ方を書いた電話がつながらないと言われる方へもあわせて読んでください。
よくいただく質問
営業時間は、トップページとアクセスページのどちらに書くべきですか
両方に書いてください。今回の実測では、時間が読めた121サイトのうち25サイトはトップに時刻がなく、下層まで進まないと分かりませんでした。スマートフォンで見ている人は、トップで見つからなければ電話するか、別の院を探します。
時間割を画像で作ってあります。作り直しが必要ですか
画像はそのままで構いません。同じ内容を文字でも書き添えてください。画像の中の文字は、検索エンジンにもAIの回答にも読まれません。今回194件中3件が、見出しはあるのに時刻が文字として1つも入っていない状態でした。
祝日の営業を毎回書くのは手間です。省いてもいいですか
祝日の扱いは1行で済みます。「祝日は休診」「祝日は9:00〜13:00」のどちらかを、時間表の下に固定で置いてください。時間を書いている121サイトのうち47サイトがここを空けていて、その空白が電話になります。
年末年始のお知らせは、いつ出せばいいですか
12月の頭までに出してください。今回、年末年始や臨時休業に触れていた43サイトのうち、何年の告知かが読み取れたのは15サイトだけでした。書くときは必ず年から書き、翌年の同じ時期に上書きします。
Googleマップの営業時間が実際と違います。どう直しますか
Googleビジネスプロフィールで自分の店舗のオーナー確認をしたうえで、営業時間を修正します。祝休日は特別営業時間として別に設定できます。ホームページ側を直しても地図の表示は変わらないので、2か所とも直してください。
まとめ|ホームページの営業時間は、4項目そろって初めて電話が減る
2026年9月20日、新潟の同業209サイトへ接続し、開けた194サイトを数えました。営業時間が文字で読めたのは121サイト、休みは94サイト、祝日は80サイト、年末年始は43サイトです。4つすべてがそろっていたのは23サイトでした。
「今日やってますか」の電話は、時間を書いているサイトにもかかってきます。書いてあるのは平常時の時間だけで、祝日と年末年始が抜けているからです。時間を書いている121サイトのうち、87サイトが年末年始に触れていませんでした。
書き足すのは、時刻・休みの曜日・祝日の扱い・年末年始の日付の4項目です。いまのページに何がそろっていて何が抜けているかは、無料のサイト診断で同じ判定をしてお返しします。制作から引き受ける場合の料金と範囲はサービスと料金に載せています。
