星1が1件ついた。心当たりの患者さんがいない。診療を終えてスマホを開き、その1件をまた読んでしまう。
接骨院やクリニックの院長から、この話をいちばんよく聞きます。多くは「消せますか」という質問から始まります。
僕は医療と士業のホームページを作っていますが、口コミの削除を代行する立場にはいません。ただ、消えるかどうかと、消えない間に何ができるかは、分けて考えられます。
結論を先に書きます。2026年9月8日にYahoo!知恵袋の質問ページを42件開き、口コミが主題だった39件を数えました。経営する側の相談は10件で、内訳は低評価への対応が5件、削除依頼が5件。口コミを増やす方法を聞いた相談は0件でした。 そして削除を相談した5件のうち、消えたと書いてあるものはありませんでした。
いま1件の口コミが気になっている方は、無料のサイト診断に院名とその口コミの状況を送ってください。削除の可否は判定できませんが、その口コミを読んだ人が次に開くページに何が足りていないかは、見て返せます。
<!-- def --> 口コミの削除依頼とは、投稿がGoogleのポリシーに違反しているとオーナー側が報告し、Googleの判定を待つ手続きのことです。院が自分で消す機能ではないため、報告しても判定待ちのまま残ることがあります。
何を、どうやって数えたか
測定日は2026年9月8日です。
Yahoo!知恵袋を9つの言葉で検索しました。「Googleマップ 口コミ 削除」「Googleマップ 口コミ 店側 対応」「Google 口コミ オーナー 返信」「口コミ 低評価 お店 困って」「口コミ 書いてもらう お願い 店」「整骨院 口コミ」「整骨院 口コミ サクラ」「クリニック 口コミ 悪い」「口コミ 増やす方法 店舗」の9つです。最後の1語は、口コミと関係のない結果ばかりが返ったので使っていません。
検索結果の総件数は、「クリニック 口コミ 悪い」が約2,617件、「整骨院 口コミ」が約776件、「Googleマップ 口コミ 削除」が約671件と表示されました。この総件数は分母にしていません。 拾われ方がかなり緩く、開くと無関係な相談が混ざります。
分母にしたのは、検索結果の一覧を11ページぶん(110件)読み、その中から口コミの相談と読み取れたものを上から順に42件開いて、本文と回答まで読んだ件数です。開いたあとで口コミの話ではなかったもの(院の選び方だけを聞いた相談など)が3件あり、これを外した39件で数えました。
1件ずつ、次の3つを記録しました。
| 記録した項目 | 中身 |
|---|---|
| 相談した人の立場 | 店・院の経営側/そこで働く人/客・患者/立場を書いていない第三者 |
| 相談の争点 | 6つの区分から1つだけ選ぶ |
| 投稿年と回答の付き方 | 投稿年月日、回答数、ベストアンサーが選ばれたかどうか |
質問文はそのまま引用していません。書いた人と院が特定できない形に要約しています。投稿年は2015年から2026年まで散らばっていて、片寄りはありませんでした。
経営する側の相談10件は、「消す」か「低評価」しかなかった
立場ごとに分けると、こうなりました。
| 相談した人の立場 | 件数 |
|---|---|
| 客・患者(立場を書いていない第三者を含む) | 26 |
| 店・院の経営側 | 10 |
| そこで働く人(従業員・アルバイト) | 3 |
争点で分けると、次のとおりです。
| 相談の争点 | 件数 |
|---|---|
| 評価が高すぎて怪しいと感じている | 18 |
| 低評価をつけられて困っている | 7 |
| 消したいのに消えない | 5 |
| 返信のしかた、返信への不満 | 4 |
| 書くよう頼まれた、頼まれて書いた | 3 |
| その他 | 2 |
経営する側の10件を開くと、5件が低評価への対応、5件が削除依頼で、それ以外がありません。 内容を書かずに星だけ2つ3つ付けられて返信すべきか迷っているエステの経営者、来店記録にない客から星1を書かれたサロンの経営者、高評価が減って低評価が目立つようになったと訴える飲食店の経営者。どれも、すでに付いたものをどうするかの相談です。
口コミを増やす手立てを聞いた相談は、10件のうち0件でした。 攻める話が出てこないのは、たぶん困っていないからではありません。困り方が「消えない」に寄りすぎて、そこから先へ進めていないのだと読みました。
患者は、星が高い院ほど疑っている
もう一方の側を見ると、景色が変わります。
整骨院・接骨院・整体についての相談は、開いた中で17件ありました。そのうち15件が「評価が高すぎて怪しい」側の相談です。 低評価をつけられて困っている相談は1件だけで、それも院長ではなくアルバイトの方からでした。
15件で挙がっていた引っかかりは、次の4つに集まります。
| 患者が引っかかっている点 | 相談の中身 |
|---|---|
| 近所の院が軒並み高評価 | 自宅の近くの整骨院が10軒以上あり、いちばん低くて星4.7だったので、口コミが機能していないと感じた |
| 星5をつけた人の投稿が1件だけ | 高評価をたどると、その院にしか投稿していないアカウントばかりだった |
| 低評価が見当たらない | 星1の直後に必ず星5が付く、以前あった低い評価が消えている |
| 書くよう促された経験がある | 初回に来院した日から、口コミの投稿と引き換えの特典を勧められた |
クリニックでも同じことが起きていました。開院2〜3年で口コミが180件、星4.8という院を見て「これは疑わしいのではないか」と質問した人がいます。星の数と件数は、増えるほど信用されるわけではありません。院が積み上げたい数字と、患者が疑いを持つ数字が、同じ方向を向いていません。
接骨院のホームページで患者が引っかかる表現は問い合わせが来ない接骨院のホームページで、患者が引っかかる表現に、新潟市の接骨院115院がそもそもサイトを持っているかを数えた結果は新潟市の接骨院115院のうち、自分のホームページを持っているのは何院かにまとめています。
悪い口コミは、そもそも消せるのか
削除を相談していた5件を、経過が分かる形で並べます。
| 相談の状況 | 経過 |
|---|---|
| 根拠のない投稿を報告した | 約1か月たっても「判定待ち」のまま。回答は、判定に数か月かかること、同じアカウントから繰り返し報告するとスパムとして扱われる恐れがあることを指摘 |
| 報告後に再審査を請求したい | 判定待ちの段階から再審査を請求する仕組みは無いという回答 |
| 一方的な低評価が半年消えない | 弁護士への相談を検討中。削除はされていない |
| 店・病院側が低評価を非表示にしたい | 基本的にできない、削除依頼も通ることは少ないという回答 |
| 店側で削除できるのか | 個別の口コミを店側が消すことは通常できないという回答 |
5件のうち、消えたと書いてあるものは1件もありませんでした。 削除の手順を説明した記事は検索すればいくらでも出てきますが、実際に相談している人の側から見ると、手順を踏んだあとの時間が長いことが分かります。
Googleのマップ ユーザー投稿コンテンツのポリシーは、「Google マップに投稿するコンテンツは、お店や場所での実体験に基づいている必要があります。虚偽のエンゲージメントは禁止されており、削除されます」と書いています。削除の対象になるのは、事実に反する投稿というより、体験に基づいていない投稿です。「書かれた内容に納得できない」だけでは、報告しても通りにくいと考えたほうが現実に合います。
頼んで書いてもらった口コミは、どこで足がつくか
数えていて重かったのは、頼まれた側の3件でした。
- 飲食店で働く人が、店員が客の目の前で星5をつけさせている状況に違和感を書いている
- 客が、口コミを書くまで出入口で止められたと書いている
- 客が、特典と引き換えに口コミを書く条件で予約したあと、どこに書けばよいか質問している
依頼した側は気づかれていないつもりでも、頼まれた側はそれを別の場所に書いています。 前の章で挙げた「初回から特典を勧められた」も、患者がその院を選ばなかった理由として書かれていました。
施術所の場合は、気持ちの問題では済みません。厚生労働省の「あはき・柔整広告ガイドライン」(令和7年2月18日)は、Ⅵの4(2)で次のように書いています。
ウェブマッピング等において、自らの施術所等が他の施術所等よりも優良であるような情報を掲載するため、利用者に謝礼を支払う又は依頼する等して、自らの施術所等に便益を与えるようなコメント等を掲載させるべきではないこと。
同じ章の4(3)③は、院にとって都合のよい感想だけを選んでサイトに載せることについても、掲載すべきでないとしています。掲載できない例として並んでいるのは「口コミサイトで1位を獲得。」「全国優良〇〇院。」といった書き方です。
さらにⅡの6(3)は、患者が自分から書いた体験談は原則として広告に当たらないとしたうえで、院からの依頼に基づくものや、院から金銭等の謝礼を受けている場合は広告として扱う、と整理しています。謝礼や特典を渡した時点で、その口コミは患者の感想ではなく院の広告になります。 接骨院にかかるのは医科の医療広告ガイドラインではなく、このあはき・柔整のガイドラインです。医療広告の話だけで進めると、判断を取り違えます。
医科と柔整で規制が違う点は医療広告ガイドラインとホームページにも書きました。
返信で損をしている例が4件あった
返信をめぐる相談は4件で、いずれも書き方でつまずいています。
| 相談の中身 | 回答で言われていたこと |
|---|---|
| 医師が悪い口コミへの返信で、その日の診察内容と患者の名前を書き、もう来ないでほしいと返した | 個人名を出すのはタブーだと指摘された |
| 低評価に「法的措置を取る」と返信しているクリニックが多く、就職先として判断に迷う | 訴訟の予告は脅しに見える、経営者の人柄が出るという見方が並んだ |
| オーナーの返信が明らかにAIで書かれていると感じる | AIで書いたと分かる形なら構わないが、本人が書いたように見せるのは誠実ではない。返信しない選択のほうがましだという回答 |
| 事実を書いた口コミに、オーナーから嘘つき呼ばわりする返信が付いた | Googleでは1つの口コミにオーナーが返信できるのは1回で、投稿者は返信できない |
最後の1件は、返信の設計を考えるうえで効きます。返信は院が最後に置く1行で、患者側から反論は付きません。 読むのは投稿者ではなく、これから来るかどうかを迷っている人です。
削除より先に直す3つ
39件を読んだうえで、消えるまでの間に手を付けられる場所は3つでした。
- 返信を、次に来る人に向けて書く。 事実の訂正が必要なら、患者を特定しない書き方で、来院記録の確認方法だけを書きます。感情と個人情報は入れません。1回しか書けない前提で下書きします。
- 謝礼と引き換えの依頼をやめる。 上のガイドラインに触れるうえ、頼まれた側が別の場所に書きます。増やしたいなら、会計時に一言添えるところまでにします。
- 口コミで語れないことを、自分のページに書く。 料金の内訳、通院回数の目安、施術者の資格と経験年数、初回の流れ。星の数を疑っている人が確かめたいのはこの4つで、Googleのプロフィールには書ききれません。
3つ目が、いちばん効きます。患者は星を見て疑ったあと、院名で検索してホームページを開きます。そこに料金も施術者も書いていなければ、疑いは晴れません。口コミ対策の受け皿は、口コミ欄ではなくホームページ側にあります。
うちでお引き受けする場合、ホームページ制作は330,000円、Googleマップの運用サポートは月額33,000円です。運用サポートで行うのは、プロフィールの情報整備、写真の追加、投稿、届いた口コミへの全件返信と、月1枚の数値レポートです。順位の保証はしません。 Googleが金銭による順位の引き上げに応じないと明記しているため、約束できるのは実際の運用と数字の報告までになります。料金の内訳はサービスと料金に、初期費用を抑えた枠はモニター制作のご案内に出しています。
よくいただく質問
悪い口コミは、報告すればどのくらいで消えますか
今回の39件では、消えたと書かれた例はありませんでした。判定待ちのまま1か月という相談が2件、半年消えないという相談が1件です。回答では、判定に数か月かかる場合があること、同じアカウントで繰り返し報告するとスパムとして扱われる恐れがあることが指摘されていました。期間の見通しは立てないほうが安全です。
患者さんに口コミをお願いするのは、いけないことですか
お願いすること自体を禁じる記述は、あはき・柔整広告ガイドラインにはありません。問題になるのは、謝礼や特典と引き換えにする形と、都合のよい感想だけを選んでサイトに載せる形です。Googleのポリシーも「直接的な金銭または現物が対価として支払われたクチコミまたは評価」を禁止しています。会計時に一言お願いするところまでにとどめてください。
低評価に返信すべきですか、無視すべきですか
今回読んだ範囲では、返信しないことを勧める回答と、丁寧に返信することを勧める回答の両方がありました。判断の材料になるのは、投稿者ではなく次に来る人が読むという点です。事実と違う内容が書かれていて、それを読んだ人が誤解する状態なら、患者を特定しない形で1回だけ返します。
スタッフや家族に書いてもらうのは問題ありませんか
Googleのマップ投稿ポリシーは、「利益相反に基づくコンテンツ。利益相反には、現在または過去の雇用関係、契約関係や顧問関係が含まれます」を評価の操作として挙げています。あはき・柔整広告ガイドラインも、経営に関与する者の家族等による体験談は広告として扱うとしています。どちらから見ても勧められません。
ホームページに患者さんの声を載せてもよいですか
施術所の場合、都合のよい感想だけを選んで強調することは、ガイドラインが掲載すべきでないとしています。載せる場合は選び方の基準を決め、良い内容だけを抜き出さない形にしてください。判断に迷う原稿があれば、無料のサイト診断で文面ごと見ます。
まとめ|悪い口コミを消したいときに、先に手を付ける場所
2026年9月8日に知恵袋の質問ページを42件開き、口コミが主題だった39件を数えました。分かったことは3つです。
- 経営する側の相談10件は、低評価への対応5件と削除依頼5件だけで、増やす手立てを聞いた相談は0件だった
- 削除を相談した5件のうち、消えたと書かれていたものは0件だった
- 整骨院・接骨院・整体についての相談17件のうち15件は、低評価ではなく「評価が高すぎて怪しい」だった
消す作業に時間を使っている間も、患者は院名で検索してホームページを開いています。料金、通院回数の目安、施術者の資格、初回の流れ。この4つが書いてあるかどうかは、今日のうちに確かめられます。
自分の院のページを開いて、4つのうちいくつ書いてあるか数えてみてください。3つ以上欠けているようでしたら、無料のサイト診断にURLを送っていただければ、足りない場所と書く順番をお返しします。制作の依頼を前提にしていません。料金を先に見ておきたい方はサービスと料金をご覧ください。
