先に結論を書きます。新潟の制作会社27社の自社サイトを1社ずつ開いて数えたところ、ホームページ制作の金額を書いていたのは10社(37.0%)で、まったく出していなかったのが17社(63.0%)でした。金額を出していた10社も、総額・下限のみ・作業単位の3通りに分かれています。
「ホームページ制作の相場は◯万円」と書いた記事は山ほどあります。ただ、そこに並んでいる数字は、たいてい別の記事から引き写した平均値です。依頼する側が本当に知りたいのは、平均ではないと思います。「自分が問い合わせようとしているその会社は、金額を先に出す会社なのかどうか」のほうです。
そこで2026年8月15日に、実際に1社ずつ開いて数えました。うちの料金は料金と進め方に先に出してあります。数えかたも結果も、下に全部書きます。
<!-- def --> 料金の先出しとは、問い合わせを受ける前に、金額の範囲をサイトへ書いておくことです。見積もりの額そのものではなく、桁が分かれば足ります。
何を、どうやって数えたか
測定日は2026年8月15日です。
- 母集団:新潟のWeb制作会社を31社まとめて紹介している記事(QUERYY「新潟のWeb制作会社31選」)に載っている31社。名簿としてだけ借りて、相場の記述は使っていません
- やったこと:31社それぞれの自社サイトのトップページを開き、料金・費用・価格・プランのページへのリンクを探す。あればそのページも開いて、金額の書き方を記録する
- 「公開している」の判定:ホームページ制作の費用について、円単位の金額が自社サイト上に書かれていること。「格安」「お手頃」だけの表現は公開に数えていません
31社のうち4社は、数える前に外しました。
| 外した会社 | 理由 |
|---|---|
| 株式会社ニュートラルワークス | まとめ記事の運営元で、本社が新潟県外 |
| 株式会社muku. | サイトが閉鎖の告知だけになっていた |
| 有限会社ウェブアプト | サイトに接続できなかった |
| 株式会社CRMセンター | 中身が無く、作成ツールのバナー1枚だけ |
残る27社が今回の分母です。
先に、この数えかたの弱点を書いておきます。判定はトップページのHTMLから辿れるリンクを基準にしています。JavaScriptで後から開くメニューの奥にだけ料金ページがある場合、拾えていない可能性があります。 また、問い合わせフォームの先や資料請求のPDFに金額を書いている会社は「非公開」に入っています。あくまで「開いてすぐ辿れるか」の数字として読んでください。
料金を公開していたのは27社中10社
| 区分 | 社数 | 割合 |
|---|---|---|
| 制作費の金額を公開 | 10社 | 37.0% |
| 料金ページはあるが、制作費の金額は無い | 1社 | 3.7% |
| 料金ページ自体が無い | 16社 | 59.3% |
「料金ページはあるのに制作費が無い」1社は、保守・運用の月額だけを出している会社でした。他社の例では保守だけ月7,000円と明記されていて、制作費については触れていません。姿勢としては誠実な部類だと思いますが、「いくらで作れるか」を知りたい人にとっては非公開と同じなので、分けて数えました。
残る16社は、料金・費用・プランという言葉のページ自体がありません。ナビゲーションにあるのは「サービス」「実績」「会社概要」「お問い合わせ」で、金額に近づくには問い合わせるしかない構造です。
公開のしかたは3通りに分かれた
金額を出していた10社も、書き方はばらばらでした。ここが今回いちばん面白かったところです。
総額が決まるプラン表(5社)
「このプランならいくら」が確定する形です。ページ数や含まれる作業まで書いてあるので、比べられます。
| 会社 | 拠点 | いちばん安いプラン | いちばん高いプラン |
|---|---|---|---|
| 株式会社ビットサインテクノス | 新潟市中央区 | 23.8万円(6ページ) | 29.8万円(7〜10ページ) |
| ドコドア株式会社 | 新潟市中央区 | 9.8万円 | 298万円 |
| ZANMAI株式会社 | 新潟市西区 | 33万円(税込) | 330万円(税込) |
| 株式会社アテンド | 長岡市 | 60万円 | 218万円 |
| 合同会社グローワークス | 三条市 | 8.8万円(1ページ) | 27.5万円(12ページ) |
「〜円から」の下限だけ(3社)
株式会社シアンス(30万円〜/最上位プランは要問い合わせ)、マザーシップ(25万円〜)、U-Design(5万円〜)の3社です。桁は分かりますが、上限が決まりません。
下限表示そのものが悪いわけではありません。ページ数も要件も決まっていない段階で総額は出せないからです。ただ、依頼する側は「5万円〜」を見て5万円の話だと思い込むので、下限だけの会社に問い合わせるときは、最初に『いちばん多いご依頼だといくらになりますか』と聞くと話が早く進みます。
項目ごとの単価表(2社)
合同会社ネット情報サービスと、スタイルゲートの2社です。「企画5万円」「トップページのデザイン6万円」「下層ページ1枚が8千円」のように作業単位で並んでいて、必要な分を足して総額を出す形でした。前者は積み上げた合計例(7.8万円)まで載せています。
これはいちばん正直な出し方ですが、足し算をするのは依頼する側です。見積書が来たときに照合しやすいという利点があります。
最低プランの金額は12倍の開きがあった
金額が単一の数字として読み取れた9社(総額型5社+下限型3社+合計例のある1社)で、いちばん安いプランの金額を並べます。
| 金額 | 会社数 |
|---|---|
| 5万円〜10万円未満 | 4社 |
| 20万円〜30万円未満 | 3社 |
| 30万円〜40万円未満 | 1社 |
| 60万円 | 1社 |
- 最小:5万円
- 最大:60万円
- 中央値:23.8万円
下は5万円、上は60万円で、開きは12倍です。 つまり「新潟のホームページ制作の相場は◯万円」という1つの数字には、ほとんど意味がありません。同じ県の同じ業種で、入口の金額がこれだけ違うからです。
安いプランは1ページだったりテンプレートだったりするので、金額だけを横に並べても比べたことにはなりません。比べるなら、「その金額に原稿を書く作業が入っているか」「ページ数はいくつか」の2つを合わせて見てください。実績の見方は制作実績ページを12枚作って分かった、検索の受け皿になる条件に書きました。
制作費より、月額のほうが書かれていない
もう1つ数えました。制作費と、そのあと毎月かかる金額の両方を書いていたのは、27社中4社だけでした。
4社の月額は、他社の公開値で月5,000円〜12,430円(税込表記を含む)です。制作費を公開していた10社のうち6社は、月額に触れていないか、別ページに分かれていて金額が出ていませんでした。
ホームページは作って終わりではなく、サーバー代・ドメイン代・更新費が毎年かかります。5年使うなら、月1万円の差は60万円の差になります。制作費だけを比べて安いほうを選ぶと、ここで逆転することがあります。問い合わせのときは、制作費と同じ重さで月額を聞いてください。
依頼する前に、5分でできる確認
今回27社を開いてみて、問い合わせ前にサイトだけで分かることが3つありました。
- 料金ページがあるか。無いなら、金額の話は電話や訪問の場でしか出てきません。それが悪いわけではありませんが、その前提で時間を取る必要があります
- 金額が「〜から」なのか、総額なのか。「から」なら、上限を必ず質問リストに入れる
- 月額が書いてあるか。書いていなければ、初回の問い合わせで一緒に聞く
制作会社の選び方そのものは「SEOに強い」制作会社かを、依頼前に5分で確かめる方法にも書いています。
うちが金額を先に出している理由
批判だけして自分が隠していては話にならないので、うちの金額も書いておきます。
制作は5ページ・原稿の執筆と法令チェック込みで330,000円(税込)です。記事運用とサイト更新が33,000円〜/月、記事を書かず更新と表示の維持だけなら27,500円/月(いずれも税込)。ページ数や機能で増減するので最終的には個別見積もりですが、桁を先に出しておかないとお互いの時間が無駄になる、と考えています。
今回の27社の中に置くと、うちの制作費は中央値(23.8万円)より上、総額型5社の中では真ん中あたりです。安さで選ばれる位置にはいません。原稿を書く工程と、医療・接骨院の広告表現をチェックする工程を外していないためです。
いまのサイトを見てほしい場合は、無料のサイト診断からURLをお送りください。
よくいただく質問
料金を公開していない会社は、避けたほうがいいですか?
いいえ、そうは言えません。今回「非公開」に入った17社の中には、大規模なシステム開発を主軸にしていて、金額を1つに決められない会社が含まれています。要件で桁が変わる仕事に一律の価格表を貼るほうが不正確です。判断材料は、公開の有無そのものではなく、問い合わせたあとに金額の内訳を出してくれるかのほうです。
「5万円〜」のような下限表示は信用できませんか?
下限表示が不誠実だとは思いません。問題は、下限だけを見て予算を組んでしまうことのほうです。今回の下限型3社は、いずれも下限とは別に上位プランや対応範囲を書いていました。下限の金額を見たら、必ずセットで「上はいくらか」と「その差は何の作業か」を確認する、と決めておけば十分に使えます。
見積もりを取る前に、こちらで用意しておくものはありますか?
3つあります。ほしいページの数、原稿を自分で書くか任せるか、公開したい時期です。この3つが決まっていれば、下限表示しか出していない会社でも、初回の返信でかなり具体的な金額が返ってきます。逆にこれが白紙のままだと、どの会社も「要件次第です」としか答えられません。
まとめ|ホームページ制作の費用は、6割の会社が公開していない
2026年8月15日に新潟の制作会社27社を1社ずつ開いて数えた結果です。
- 制作費の金額を公開していたのは10社(37.0%)、公開していないのが17社(63.0%)
- 公開のしかたは、総額が決まるプラン表が5社、「〜円から」の下限だけが3社、項目ごとの単価表が2社
- 最低プランの金額は5万円〜60万円で、開きは12倍。中央値は23.8万円
- 制作費と月額の両方を金額で書いていたのは、27社中4社だけ
相場の数字を覚えても、依頼先は決まりません。候補の会社のサイトを開いて、料金ページの有無と、金額が総額か下限か、月額が書いてあるかの3つを見る。 それだけで、問い合わせ前に候補は絞れます。
