「料金表を載せたのに、問い合わせが増えません」。
士業の先生から、よくうかがう話です。価格を見せれば相談しやすくなるはずだ、という発想は自然です。ただ、依頼者がつまずいているのは、たいてい価格の手前にあります。
実際にこの形で作った見本は制作実績と制作見本に置いてあります。いまのサイトで伝わっているかが気になる場合は無料のサイト診断からどうぞ。
<!-- def --> 問い合わせの質とは、届いた相談のうち、実際に依頼につながるものがどれだけ含まれているかのことです。件数とは別に数えます。
依頼者は「頼んでいい案件か」が分からない
社会保険労務士、行政書士、司法書士。名前は知られていても、何を頼めるのかは正確に伝わっていません。
依頼者の頭にあるのは、事務所名でも報酬額でもなく、目の前の状況です。
- 従業員が5人を超えたが、何か届け出が要るのだろうか
- 就業規則を作れと言われたが、うちに義務があるのか
- 親が亡くなり、名義変更の書類が山ほど届いた
この状況と、先生のサービス名が結びついていません。「顧問契約」「各種手続き代行」という言葉では、自分の話だと気づけないのです。
相談シーン別の入口を作る
やり方はシンプルです。サービス名ではなく、依頼者の状況を入口にします。
たとえば社労士事務所なら、こう並べます。
- 従業員が10人を超えそうな方へ
- 助成金を使いたいが、要件が分からない方へ
- 従業員とのトラブルを抱えている方へ
- 社会保険の手続きに手が回らない方へ
依頼者は、自分の状況に近いものをひとつ選びます。その先で「これは社労士に頼める話だった」と気づきます。ここではじめて、料金の話が意味を持ちます。
各入口に書く4つのこと
入口ごとのページには、次の4つを書いてください。
- その状況で、法律上どうなるのか(義務があるのか、期限はいつか)
- 放っておくと何が起きるのか(罰則、不利益、手遅れになる期限)
- 依頼した場合、何をどこまでやるのか
- 費用の考え方(金額が出せなければ、決まり方だけでも)
1と2があるだけで、依頼者は「これは相談すべき話だ」と判断できます。この部分は、先生が日常的に説明していることのはずです。
判定してあげると、さらに一歩進みます
「従業員数を入れると、必要な手続きが表示される」。この程度の簡単なしくみでも、問い合わせの質は変わります。
自分の状況が具体的に表示されると、相談内容が固まった状態で連絡が来ます。「何を頼めばいいか分かりません」から始まる問い合わせが減ります。
僕が作った社労士事務所の制作見本では、従業員数から法定義務を判定するしくみを入れました。実物は制作実績と制作見本のページにあります。
相談シーンのページに書く順番(見本)
「4つのことを書く」と言っても、並べ方で伝わり方が変わります。実際に見本で使っている順番を出します。
たとえば「従業員が10人を超えそうな方へ」というページなら、こうなります。
- 見出しで状況をそのまま書く — 「従業員が10人を超えそうな方へ」
- 法律上どうなるかを、数字を大きく1行で — 「常時10人以上で、就業規則の作成と届出が義務になります」
- 放っておくとどうなるか — 期限、罰則、実務上の不利益
- 誰がやるのか、どこまでやるのか — 原案の作成、意見聴取の段取り、労基署への届出まで
- 費用の考え方 — 金額、または決まり方
- 次の一歩 — 相談の申し込み。ここで初めてボタンを置きます
2を先に持ってくるのが要点です。依頼者が知りたいのは「自分に義務があるのか」で、事務所の説明ではありません。数字が先に目に入ると、自分の話かどうかがその場で分かります。
6を1番目に置かないでください。まだ「頼んでいい案件か」が分かっていない段階でボタンを見せても押されません。判断させてから、押させる。この順番です。
まとめ|士業事務所のサイトで問い合わせを増やす入口の作り方
- 依頼者がつまずいているのは価格の手前です。「これは頼んでいい案件か」が分かっていません
- 入口をサービス名ではなく依頼者の状況(相談シーン)にします。「顧問契約」ではなく「従業員が10人を超えそうな方へ」
- 各入口に書くのは4つ。法律上どうなるのか/放っておくと何が起きるのか/何をどこまでやるのか/費用の考え方
- 1と2があるだけで、依頼者は「相談すべき話だ」と判断できます。ここは先生が日常的に説明していることのはずです
- 簡単な判定のしくみを1つ置くと、相談内容が固まった状態で連絡が来ます
よくいただく質問
相談シーンは、いくつ用意すればいいですか
4つ前後から始めてください。多すぎると選べなくなります。
選び方は、いま実際に受けている相談の多い順です。新しく取りたい仕事ではなく、すでに来ている相談を並べたほうが当たります。書く材料も手元にあります。
業務内容のページは、消したほうがいいですか
消す必要はありません。入口を増やす話です。
「顧問契約」「就業規則作成」といった業務名で探す人もいます。ただ、その言葉にたどり着けない人のために、状況からの入口を別に用意する、という考え方です。
実績の数字は、どこまで書けますか
士業には、それぞれの会が定めた広告に関する規程があります。誇大な表現と、根拠のない比較は避けてください。
数字を出す場合は、いつ時点の、どの範囲の数字なのかを必ず添えます。「顧問先100社」ではなく「2026年8月時点、顧問契約中の法人100社」と書けば、根拠のある数字になります。
広告規程には注意してください
士業には、それぞれの会が定めた広告に関する規程があります。誇大な表現や、根拠のない比較は避けてください。実績を数字で出す場合は、いつ時点の、どの範囲の数字なのかを必ず添えます。
この点も含めて設計から書くところまで引き受けています。詳しくはサービスと料金の考え方をご覧ください。
いまのサイトで「何を頼める事務所か伝わっているか」が気になる場合は、無料のサイト診断からサイトURLをお送りください。
相談シーンを実際に並べた形は、士業事務所の制作見本にまとめてあります。社労士・行政書士・税理士・司法書士の4つを並べました。
